4サイクルエンジンであれば、バルブという部品を使っています。エンジンの吸気と排気で通路を開閉してる部品です。
このバルブもクリアランス調整が必要。バルブはカムシャフトで押されて開いたり閉じたりするんですが、隙間調整をきちんとしてあげないとノイズの原因になったりします。
一般的にバルブクリアランス調整と呼ばれる作業ですが、調整式のロッカーアームを使ってるエンジンならクリアランス調整ができます。が、これを油圧をつかって自動で行ってる部品が今回紹介するラッシュアジャスターです。
目次
ラッシュアジャスターの交換時期は?
ラッシュアジャスターの交換時期はどのくらいをめどにするか?
ラッシュアジャスターという部品ですが、交換時期は定められていません。そして、使ってる場合バルブの数だけ存在します。
DOHCの4気筒16バルブであれば、16個のラッシュアジャスターを使っていることになります。交換が必要になるのは、明らかにエンジンが不調に陥った時。そしてその原因がラッシュアジャスターにある場合だけです。
ラッシュアジャスターはバルブクリアランスを油圧で調整しています。メカニカルノイズが大きくなってきたなどどうしてもきになる場合や不具合がでたとき交換時期となるでしょう。
ラッシュアジャスターの交換費用は?
ラッシュアジャスターの交換費用はどのくらいかかるか?
これは先に説明しましたが、バルブの数だけラッシュアジャスターが使われています。DOHC4気筒16バルブの場合16個。
V6エンジンであれば24個です。そして、部品代が結構高い。1つあたり3000円〜5000円程度かかってくるのです。これがバルブの数だけあるので相当な金額になりますね。
しかも、ラッシュアジャスターを交換するためにはカムシャフトを外す必要があります。タイミングベルトエンジンならいざ知れず、タイミングチェーンであれば工賃もかなりかさみます。
ラッシュアジャスターの交換費用を算出してみると8万円〜30万円程度かかってきます。もちろん壊れているラッシュアジャスターのみを交換するという手もありますが、工賃をかんがえると一気に交換しちゃった方がいいと思います。
ラッシュアジャスターの故障とは?
それではラッシュアジャスターが故障するとどうなるのか?構造は内部にエンジンオイルが入っていて、その油圧でバルブクリアランスを自動で調整しています。
オイルがリークして油圧が保てなくなったりすることが一番考えうる故障です。症状的にはどうなるか?これはバルブクリアランスが正常に保てなくなるので、エンジンから音が大きくなる。
バルブクリアランスが広くなってしまったエンジンは、カチャカチャ音が大きくなります。隙間が多いということはそれだけ音が大きくなるのは想像しやすいですよね?
完全にリークしてしまえば、バルブ開閉にも問題が出てくるのでエンジンが本来の性能を引き出せなくなったりもします。
今まで整備士をしてきたなかで、ラッシュアジャスターを交換しないといけないケースまでいったことはありません。ノイズが大きくなってきても修理代を考えるとそのまま我慢して乗っているという選択肢をとるのがほとんどです。
エンジンノイズはある程度添加剤で抑えることもできます。
昔、エンジンノイズが大きいということで、おそらくラッシュアジャスターが不良を起こしてるだろう車に、このワコーズのFVを添加したことがあるんですが、音がかなり抑えられました。
高額な修理代を出すよりは添加剤で延命するほうがコスト的にはあってるかなと。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。