いきなりですが、これはなんでしょう!?
フライホイールと答えたあなた、惜しいですぞ!
これはリングギアというものです
リングギアの役目は簡単です。
セルモーターの動力をクランクに伝えて
クランクをまわしてエンジンをかけるための物。
マニュアルの場合は、フライホイールにはめ込まれているんですが、
オートマチックの場合は、フライホイールが存在しないため、
リングギアが単体でクランクにボルト締めされています。
フライホイールはエンジンの駆動を滑らかにならすもので、
いわゆる滑車みたいな奴ですね。
これをATではトルクコンバーターがその役目を担っています。
今回このリングギアなるものをとってきたということは、
これが異常だったわけです。
リングギアが磨耗してくると、セルを回してもセルモーターとリングギアがかみ合わずに
エンジンがかかりません。
たとえばエンジンがかかっているのにもかかわらず、セルを回すと
「カカッ」
などといやぁ~なギアの削れるような音がしますよね。
これと同じような感じになります。
この場合セルにはオーバーランニングクラッチなる機構がついていまして、
リングギアが回っていると認識するとセルを回したとしても
セルモーターのギアが引っ込むような構造になっているので
そう簡単にはギアは削れないようになっています。
どうですか!?
かなりリングギアが削れて磨耗しているのがわかりますね?
こうなると、セルを回しても10回に一回しかリングギアがかみ合わずにエンジンがかかりません。
当然リングギア全周のギアが削れるのも時間の問題で、ATだからエンジンはかけられなくなります。
原因として、
エンジンがかかっているのにセルをひたすら回し続けた
これはオーバーランニングクラッチなんか無視して
何度も何度もセルを回しつづると削れて行くとおもいます。
まぁリングギアの前にセルもだめになるだろうけどね。
そして、セルモーター自体に問題があってもリングギアは磨耗します。
セルモーターのピニオンギアのシャフトにがたがあると、セルの回転に伴い
ピニオンギアも触れてしまうので、リングギアが磨耗してきます。
今回はこのケースでした。当然セルモーターもOHしました。
たかが一枚の円盤だけど大変だよ。交換するのは。
ミッションをおろさないといけないんだからね。
へたなFFだとエンジンだって下ろさないといけなくなるから
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。