またもスズキか・・・。さすがに今年は大規模リコールが出すぎな印象があります。
11月19日にスズキよりリコールと改善対策が3件発表になりました。1つが77万台規模(OEM含む)。そしてもう1つが34万台規模。最後は改善対策で31万台弱。
早めに受けないとマズいものなのか?内容を確認してみます。
目次
77万台規模のリコール!燃料タンク系統の不具合
一番数の多い77万台規模のリコールについてみてみます。
内容は以下の通り。
樹脂製燃料タンクにおいて、燃料蒸発ガスホースの材料及び圧力調整弁の表面粗さが不適切なため、圧力調整弁が固着するものがある。そのため、そのまま使用を続けると、燃料タンクが負圧になり変形することで、燃料レベルゲージが傾き、燃料計が実際の燃料残量より多く指示するため、燃料残量警告灯が点灯することなく予期せぬ燃料切れとなり、エンストするおそれがある。
国土交通省HPより引用
対策は燃料蒸発ガスホースと通気配管を対策品に交換です。
図を見るとホースや配管の形状を変更したものに付け替えるものですね。
対象車はアルト、ラパン、ワゴンR、スペーシア。あとはOEM車。
内容を見る限り、実際に燃料を入れて燃費計測をしている人ならば、取り急ぎリコールを受けなくても大丈夫かなと。
この不具合で怖いのは、予期せぬガス欠に見舞われるということ。普段から燃費計測をしている人なら、リコール該当車という認識を持っていれば、メーターを最初からあてにしないで置けば大丈夫。
台数が相当なので、リコールのDMは何回かに分けて発送するはずです。最初は不安な人が一気に押し寄せます。ある程度落ち着いてからでも大丈夫だと思います。
ハスラーとラパンのHIDバルブ不具合
続いてのリコールです。
内容は以下の通り。
ディスチャージ(HID)ヘッドランプにおいて、製造管理が不適切なため、ヘッドランプソケット内のパッキンに揮発性のシリコン化合物が残留しているものがある。そのため、当該残留物がランプの点灯熱で揮発し、HIDバルブとソケットの接点に付着して、接点で発生するアーク放電熱によって絶縁体の酸化シリコンが生成され、導通不良となり、ヘッドランプが点灯できなくなるおそれがある。
国土交通省のHPより引用
これは症状がはっきりと出るのでわかりやすいです。
要するにヘッドライトが点かなくなるという事です。HIDはバルブ切れを起こさないなんて、HIDが出始めたころ言われましたが、バンバンと切れます。
両方同時に切れることはないと思いますので、片側が点かなくなったらリコールをうけても何とかなります。
ただ、夜間走行が多い人は早めに受けておいた方がいいでしょう。夜間ほとんど走らない人は点検や車検時でもいいかなと。
おそらくこれはディーラー以外でも受けられる内容になると思います。
バックドアバランサの不具合!これもハスラー
最後はリコールではなく改善対策。
内容は以下の通り。
バックドア用バランサにおいて、内部洗浄工程での乾燥温度が不適切なため、バランサ内部に洗浄水が残っているものがある。そのため、バランサ内部が錆びて、封入しているガスが徐々に漏れ、最悪の場合、バックドアを保持できなくなるおそれがある。
国土交通省のHPより引用
バックドアのハッチを支えるダンパーが抜けてしまうので、バックドアを開けてもその状態を保持できなくなります。
走行上の支障はありませんが、使い勝手が大幅に悪くなります。
これはソリオなども同様の不具合が出ています。あとはダイハツ車で多いですね。出所は同じダンパーかもしれません。
頻繁にバックドアを開閉する人は早めに受けましょう。
バックドアはほぼ開けない人は、車検などのタイミングでもいいと思います。
スズキのリコールが大規模台数になる理由は?
それにしても今年はスズキのリコール数が非常に際立って多いです。どうしてこうなるのか?
これは簡単です。ほとんどの部品を共用しているからに他なりません。
例えば同年代に製造されていれば、ワゴンRだろうがスペーシアだろうがハスラーだろうがラパンだろうが同じエンジンを搭載しています。
もちろん足回りなどの形状もほぼ同じ。
コストダウンを図るには同じ部品を使う事が有効ですが、一度不具合が出ると大規模リコールにつながりかねません。
スズキ車の整備って、軽乗用と軽貨物。あとは小型車の3つをマスターしてしまえば、幅広い車種でほぼ同じなんです。
外装や内装は違いますけど。
リコールも台数は多いですが、スズキは町工場にもリコール作業を委託してくれるので、作業はどこでもスムーズに受けられるようになると思います。
今回発表されたリコールより先にでている、電動ステアリングロックユニットやフロントコイルスプリング、クランクプーリーボルトのほうが早めに受けたほうがいいです。こちらのほうが内容がヤバいです。
以上スズキの大規模リコールについてでした。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。