3月12日に発表されたリコールで、これはちょっと早めに受けておかないと危ないなというものがあったので紹介します。
対象車種は8車種。主にダイハツ車。OEMでトヨタとスバルが含まれます。
ダイハツのミライース、キャスト、ムーブ、ミラトコット。トヨタのピクシスエポック、ピクシスジョイ。スバルのプレオプラスとステラです。
内容が危ない。
ステアリングホイールにおいて、ステアリングコラムとの取付け作業が不適切なため、走行中の操舵等の入力により、取付けナットが緩み、嵌合部にガタが発生するものがある。そのため、そのままの状態で使用を続けると、ガタが大きくなり、最悪の場合、当該嵌合部が外れ、ハンドル操作ができなくなるおそれがある。
国土交通省HPより引用
ざっくりとどういう事なのか?
ハンドルの取り付け作業が不適切で、走行中にハンドルを固定しているナットが緩んでしまい、ハンドルが外れる可能性があるということです。
走行中にハンドルが外れてしまうなんて漫画みたいな事が起こりえます。
こちらはリコール該当になっているか未確認ですが、ほぼ同年代のムーヴのハンドル写真です。
リコール対象者はハンドルとその下のステアリングシャフトが機械的に連結されています。ここの部分が緩んで外れてしまう。
ハンドルってそもそもどのように取り付けられているのか?
こちらはリコール該当車ではありません。三菱のミニキャブVの画像です。こちらでハンドルがどのようにシャフトに連結されているか説明します。
まずハンドルの中央部分がエアバッグになっています。
エアバッグを外す。
エアバッグを外すとハンドルの真ん中にナットが見えています。
こちらのナットが1本でハンドルとシャフトを固定しているのです。たった1本のナットでハンドルを固定していて大丈夫?と思う方もいるかもしれません。
しかし、ハンドルとステアリングシャフトはギザギザになっていてかみ合うようになっています。さらにテーパ形状(台形)になっていて、ネジを外しても簡単にハンドルは抜けません。
ハンドルのネジを外しても、ほとんどがシャフトとハンドルが固着して簡単に引っこ抜けません。ハンドルプーラーなどを使ったり、思い切り引っこ抜いたりしない限りはそうそう抜けない。
しかしリコール車種はここの取り付けに問題があるとされています。
取り付け部のかみ合いに不具合があったり、ネジが規定トルクで締め付けられなかったりすると、走行中の振動でネジが外れてさらにはハンドルの固着も外れてしまうことは想像できます。
つまり、本当に走行中にハンドルが外れる可能性があるという事。
とても危険なので、すぐにリコールをしてもらったほうが無難です。本当に。
それではリコールの内容と作業時間はどの程度かかるのか?
全車両、ステアリングホイールの取付け状態を点検し、取付けナットを規定トルクで締付ける。なお、取付け状態に異常が認められる場合は、ステアリングホイールを正しく取付ける。
国土交通省のHPより引用
今日ダイハツのサービス部に確認を取ったところ、リコール作業は30分から1時間程度で済むということです。
バッテリーを外してエアバッグコンデンサを放電させて、エアバッグを外してからのハンドルのナット点検なのでそのくらいかかりますね。
バッテリーを外しての作業になるので、ナビや電装品のメモリは消える可能性があります。そこはご了承ください。
ムーヴクラスのリコールなので、相当台数該当して、提携整備工場でも作業ができるようになるのかなと思ったら、今のところダイハツディーラーから作業要請はかかりませんでした。
該当台数もトヨタとスバルを含めても46845台ですので、そこまで大規模に該当していないことがわかります。
ハンドルを交換するとかそういう作業ではないので、当日に電話して作業にあきがあればすぐやってもらえるのではないでしょうか?
ハンドルをさすってガタツキなどが感じられたらネジが緩みだしてる証拠です。ガタツキが確認出来たらとにかく早くリコールを受けてください。ハンドル、走行中に外れてしまいます。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。