三菱からリコールが発表になりました。対象車種はミニキャブ、タウンボックス、タウンボックスワイド、クリッパーなどです。
結論を先に言わせてもらうと、今更?と感じてしまいます。
対象車が幅広く、平成10年12月14日~平成25年12月27日製造のもので45万台規模です。ラジエターチャンバーからの水漏れで、実はここの部品が弱いという事は前から分かっていてサービスキャンペーンにもなっていた。
それが今更のリコールとなりました。順を追って内容をお伝えします。
ミニキャブのラジエターチャンバーとは?
今回発表されたリコール内容です。ラジエターチャンバーは上の写真でいうと、左上にある黒っぽいプラスチックの部品です。
リコール内容は以下の通り。
エンジン冷却系のラジエーターチャンバー(冷却水内の気泡を分離するための装置)の強度が不足しているため、積載状態で高速度・高回転運転や登坂運転の直後に、エンジン停止を繰返す走行を継続して行なった場合、亀裂が発生し、冷却水が漏れることがある。そのため、そのまま走行を続けると、オーバーヒートが発生し、最悪の場合、エンジンが停止し再始動不可となるおそれがある。
国土交通省HPより引用
こちらが実際のラジエターチャンバーです。
ミニキャブはエンジンが運転席と助手席シートの下に配置されています。ラジエターまでの距離があり、このラジエターチャンバーという部品を通ってエンジンへホースでつながっています。
このラジエターチャンバーの強度が不足して亀裂が入り、クーラントが漏れ出してしまうというのが今回の不具合です。
実はこのラジエターチャンバーについては、先にサービスキャンペーンが出ていたのを覚えています。
ラジエターチャンバーを目視して、漏れていたり、漏れた跡があったものは部品を交換するという内容です。この時に一斉にリコールにしておけばなんてことはなかったんです。
実際に僕が経験したもので、ラジエターチャンバーからクラックが発生してエンジンが駄目になった車を知っています。
最悪の場合オーバーヒートしてエンジンが壊れてしまう
これがその時の写真です。
チャンバーが破裂してクーラントが漏れ出し、オーバーヒートでエンジンが駄目になってしまったというもの。
タウンボックスの上位グレードにはツインカムエンジンを積んでいるタイプがあります。
結局エンジンをリビルトに載せ替えました。
この手のオーバーヒートを経験している人って少なからずいるはずです。そしてそれらの車の多くはもう廃車になっている。
なんせ平成10年式からさかのぼります。22年前の車がどのくらい残っているか?
ミニキャブとタウンボックスはミッションにも不具合があり、ミッションASSYを載せ替えるというリコールも出ました。
もう少し早くにリコールを出せば、お客さんにも何かしらの処置ができたのになと。
ラジエターチャンバーはアンダーカバーを外さないと見えにくい
ラジエターチャンバーってどこについているのかというと、エンジンよりも前方です。下からのぞいてもアンダーカバーがあって見えません。
エンジンフードを持ち上げても確認が取れない位置にあります。
もしこの部品が起因のオーバーヒートが発生した場合、エンジンの保証はどうなるのか?それは定かではありませんが、リコールが出た以上はメーカーも放っておけません。
年式の古い車は特に早めに交換作業を受けてください。
エンジン、オーバーヒートすると壊れちゃいます。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。