販売が好調な日産のデイズ、ルークスそして三菱のeK、eKスペースにリコールが本日発表されました。
こちらも早めに受けたほうがいいい内容だったので、取り上げて注意喚起をします。
先に結果を書くとリコールを受けないとどうなるか?ブレーキの効きに左右することにつながるということです。
順番に見てみましょう。
まず国交省のHPによるとどのようなリコール内容なのか?
不具合の部位はエンジンとなっています。
内容は
エンジン制御装置(ECU)において、発電機の制御ロジックが不適切なため、バッテリーの充電率が低い状態で、冷機始動直後の走行や長い下り坂を走行した場合、エンジンの負圧が低下する場合がある。そのためブレーキ倍力装置への負圧供給が不足して、最悪の場合、ブレーキペダルの操作力が増大し、制動停止距離が長くなるおそれがある。
国土交通省HPより引用
エンジンのコントロールユニットであるECUの制御が不適切なため、ブレーキの制動停止距離が長くなる恐れがあるとされています。
これは実際のデイズのエンジンルームです。
ブレーキ倍力装置は左上のブレーキフルードのタンクが見える根元に取り付けられています。
このブレーキ倍力装置は何をしているかというと、単純にいうとブレーキペダルを踏み込む力が弱くても安定した制動力を得るためにアシストしている部品になります。
その昔の車にはこのブレーキ倍力装置がついていませんでした。どう違うのかというと、倍力装置がないと、ブレーキ強く効かせたいと思ったら思いっきりブレーキを踏み込まないといけませんでした。
ブレーキペダルを踏むと最初の油圧が発生します。この油圧の力っていうのは踏み込む力に左右されます。ただ、若い人や足の力が強い人ならいいんですが、そうではない人だとブレーキの油圧が足りなくて、効きが甘くなってしまう。
それを防ぐ為に倍力装置が存在します。極端な例を挙げるとブレーキペダルを1踏むと2倍の油圧を発生させてくれる装置と解釈すればわかりやすいです。
このブレーキ倍力装置ってどうやって作動させているのかというと、エンジンの負圧を利用しています。
エンジンの負圧って、アクセルをオフでスロットルバルブが閉じている時に発生しています。この負圧を利用して倍力装置を働かせて、ブレーキペダルの踏力をアシストしている。
リコールの主な原因はこの負圧のコントロールがうまくできていないという事です。
それでは、デイズやeKのリコール作業は実際に何をするのかというと、ECUの書き換えです。制御プログラムを書き換えることによって、エンジン負圧をちゃんとブースターに伝えることができるようになるということですね。
おそらくECUの書き換えなら作業的に30分弱くらいで済むのではないかなと想像します。しかし、書き換えを行うには診断機が必要です。
ディーラーに診断機が何個もあるのかというと、そうではないので台数は1台もしくは2台同時位しかできないはず。
診断機の空き時間がないとリコールを受けられないので、やはり事前に電話して予約をしましょう。
記憶をたどればダイハツ車にも似たリコールがありました。
ブースターに取り付けられている負圧スイッチを交換してECUを書き換える作業。僕も実際に診断機を使って作業をしたことがあります。
実際に不具合がでたところを経験したことはありません。ですがブースターが効かなくなった車には乗ったことがあります。
とにかく今までの感覚でブレーキを踏んでも、ブレーキが効きません。いつもの倍以上のちからでペダルを踏みつけないと思った位置で車が止まらない。
ペダルタッチはガチガチに固くなり、ブレーキの効きも非常に甘くなります。
ブレーキのリコールなので、早めに受けてください。危険です。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。