使用者に対して、使用停止要請を出すというリコールが出ました。こんな内容は今まで聞いたことがないので、取り上げてみます。
対象車はトヨタの鳴り物入りでデビューした電気自動車のbZ4X。そして兄弟車のソルテラ。
内容は以下の通りです。
タイヤを取付けるハブボルトにおいて、急旋回や急制動の繰返し等で、当該ボルトが緩む可能性がある。そのため、そのままの状態で走行を続けると、異音が発生し、最悪の場合、タイヤが脱落するおそれがある
国土交通省HPより引用
つまり、タイヤのネジが走行中に緩んでタイヤが外れてしまうという事ですね。
対象台数は204台です。
問題なのが、この一文。
全車両、当面の措置として、使用者に対し使用停止を要請し、対策が決定次第、恒久対策を
実施する。とされています。
つまり、現時点で対策が出来るかというと、そうではないというところ。それまで使用者には車を乗らないでください。という前代未聞のリコールです。
bZ4Xのタイヤのネジは、国産車のようにホイールナットで締め付けるタイプではないようです。
外国車が採用しているホイールボルトを使っています。
ハブに直接ボルトタイプでタイヤを固定するものです。
タイヤサイズは2種類あり、235/60R18と235/50R20です。
空気圧は260kPa。かなり大きなタイヤです。
ホイールボルトの締め付けトルクは140N.mになっています。通常の乗用車が110N.mとかなので、結構な力で締め付けてあるわけです。
それでも緩んでくるということは、問題があるのはどこなのか?
ちなみにbZ4Xはタイヤプレッシャモニタシステムも内蔵しています。
今のところ恒久的に有効な対策が決まっていないようです。
今後のリコールではどうするべきなのか?
単純にホイールボルトの締め付けトルクを増やすという、単純な話では済まないと思います。
ホイールとホイールボルトを換えるか、ハブなども見直すのか?
今のところ対象台数が少ないのと、それほど販売台数が増える車でもないので、一旦使用を停止してもらい、対策を練るという事なんですね。
それにしてもトヨタ待望の電気自動車が最初からズッコケた感じになってしまったのが残念です。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。