販売が好調な新型のカローラ。4月8日の本日リコールが発表になりました。こちらはちょっと早めにリコール作業を受けないとまずい内容だったので紹介します。
出たばかりの新型カローラで発表になったリコールで、早く受けないとマズイ内容は何かというと
「ブレーキマスターシリンダーの交換」
カローラで発表になったリコール内容は以下の通りです。
ブレーキマスターシリンダにおいて、組付設備が不適切なため、ゴム製シールの表裏を正しく検出できず、逆向きに組付けてシールリップ部が損傷するものがある。そのため、当該リップ部がシール不良となり、ブレーキペダルをゆっくり踏む際に制動力が低下するおそれがある。
国土交通省のHPより引用
まずはブレーキマスターシリンダーが何をしている部品なのかというところから。
ブレーキの仕組みはパスカルの原理を利用しています。マスターシリンダーで発生した油圧を各ブレーキへ伝達。その力でブレーキパッドやブレーキシューを作動させて制動力を得る仕組みです。
このマスターシリンダーのゴムシールの向きがおかしいということです。
マスターシリンダーの中には2つのピストンが入っています。タンデムマスターシリンダーと呼ばれていて、もし1つが故障しても、もう1つでブレーキがかかるようになっています。
こちらがマスターシリンダーのピストンです。ピストンには油圧を保持するためのゴムシールが取り付けられています。
ゴムシールには向きがあり、油圧を保持できる方向がきまっています。
もしシールを反対向きに取り付けてしまっていると、油圧が保持できなくなる。最悪の場合ブレーキフルードが外部へ漏れ出して、ブレーキが効かなくなることも考えられます。
普通だとあまり考えられない内容です。
そもそもシールキットを反対へつけてしまうということは、起こってはいけないくらいマズイ内容です。
ただリコール対象車が販売台数に対してきわめて少ない149台です。令和2年1月8日~1月10日に製作された車体が該当しています。
リコールの内容を確認すると、おそらくマスターシリンダーはオートメーションで製作されたもので、シール部の判定が正しく組付けられているか判定ができていない模様です。
今のところは149台がリコール対象になっているだけなのですが、これは早めに受けてください。
万が一リコールを受けないでいたらどうなるか?
マスターシリンダーが油圧を保持できなくなると、ブレーキフルードが減っていきます。まず最初はサイドブレーキを作動させていないのに、ブレーキ警告灯が点灯すると思います。
そのまま放置すると、ブレーキラインにエアが噛みこんで、急にブレーキペダルのタッチが悪くなる。そして最終的にはブレーキが効かなくなる。
マスターシリンダーが不良だとこのような症状に発展していくので、リコール通知が届いたらすぐに処置を受けてください。
危ないです。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。