エンジンを載せ替えるという決断。車体がまだしっかりしているが、メンテナンス不備などでエンジンを壊してしまったケース。乗っている車に強い愛着があって、乗り続けたいケース。
エンジン載せ替えは金額で下を見ても10万円をかるく超えてきます。載せるエンジンが中古だと安いけど当たりはずれもある。載せてみないとわからない。だとしたら新品は非常に高いので、リビルト(再生)エンジンに載せ替える。
これが一番多いパターンです。
このリビルトエンジンですが、載せる前と載せた後など細かく説明書きが書いてあります。これが非常に勉強になるので、改めて紹介してみます。
目次
リビルトエンジン搭載前に行う各部の点検
当たり前のことですが、リビルトエンジンっていうのは本当にエンジン本体だけになります。
載せ替える前に、今までのエンジンから補機類やセンサーなどを全て移植しないといけません。その際に、今までの部品を見直す必要があります。
ラジエターの清掃や点検をする
エンジンを載せる前に、今までのラジエターの掃除をするということ。そして、ラジエターホースなどは新品にすることが望ましいとされています。
走行距離がある程度かさんでからの載せ替えになるケースが多いので、これらホース類も劣化しているのは間違いありません。ホースやできればサーモスタットを交換。
さらに電動ファンなどの動作確認もしておくこと。
マニホールドや配管部の清掃や点検を
続いてはマニホールド関係。インテークマニホールドやエキゾーストマニホールドなど異物が混入していないか点検します。
これはリビルトのターボにも通じるところがありますが、インテーク側に異物が残っていると、エンジンの内部に入り込んでしまいエンジンをだめにすることがあります。
配管やマニホールド類は出来る限り清掃をする必要があります。壊れたエンジンのメタルピースなどが配管に残ってると、それが新品エンジンに取り込まれてすぐにだめになってしまいます。
オイルと・フィルターの取り扱い、点火時期の調整など
エンジンオイルは車体にエンジンを載せてから充填するかと思います。オイルフィルターは事前に取り付けるのではないでしょうか?
このオイルフィルターを付ける前に、フィルターの中はオイルで満たした状態で取りつけるのがベストです。初めてエンジンに火を入れる時に、油圧が安定してくれます。
ダイレクトイグニッションなら不要ですが、ディスビやキャブレターのエンジンであれば、最初にきちんと点火時期などをある程度合わせておく事。
点火タイミングがずれた状態で火を入れると新品のエンジンに負担がかかります。
エアクリーナーを交換、PCVバルブに点検
エアクリーナーは新品に交換すること。そしてえPCVバルブはきちんと作動するか点検。当然つまりなどがあるとエンジンに不備が発生します。
PCVバルブが詰まるとクランクケースの内圧が上がり、オイル消費が増えたりオイルシールよりオイル漏れが発生します。
付け替える前にこのあたりも点検が必要です。
フライホイールやクランクプーリーの点検
エンジンをミッションとドッキングする前に、フライホイールの点検をすること。これは当然ですね。
そして、クランクプーリーは気を付けないといけません。タイミングチェーン方式だとクランクプーリーが摩耗しているとオイルシールからオイルもれが発生します。
クランクプーリーを点検して、減っているようなら交換すること。
リビルトエンジン搭載と火を入れる儀式について
リビルトエンジンを無事に積み終わったら、いよいよエンジンに火をいれるわけですが、ここでも注意点がいくつかあります。
まず当然ですがオイルの量をきちんと点検すること。そして、最初はエンジンがかからないようにハイテンションコードやダイレクトイグニッションなどのカプラーを外した状態でクランキングします。
これにより各部へあらかじめオイルをいきわたらせて油圧があがることを確認。
カプラーをもどし、いよいよ火をいれます。
無事にエンジンがかかったらクーラントのエア抜きを完全に行う。そしてエンジン回転はアイドリングで保持。10分~20は暖機して水温や油圧を確認して漏れがないかのチェックをします。
リビルトエンジンの慣らしについて
今の新車には慣らし運転は必要がない。という記事がたくさん見受けられます。しかし、リビルトエンジンには慣らしというものが必要と書いてあります。
リビルトエンジンのロードステストとは何をするのか?
適度な距離を時速40km/hほどでエンジンに負荷を与えないように走ります。走り終わったらクーラントやオイル、燃料漏れなどがないかを最終チェック。
そしてエンジンオイルは500km走行後にオイルフィルターと同時に交換すること。
エンジンの機械精度が非常に上がったといわれていますが、リビルトエンジンでは500kmでオイルとフィルターの同時交換が支持されています。
リビルトエンジンの取り扱い説明書は新車で搭載されているエンジンにも通じる、注意書きがたくさん書いてありました。とても参考になります。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。