衝突被害軽減ブレーキについて、先日お伝えしましたがまたちょっと気になることがあったので補足の意味を込めてお伝えします。それはレーダーとレーザーの違いについて。
ミリ波レーダーセンサーを搭載しているものをレーダーブレーキサポートと呼ぶのが正しい呼び方で、赤外線のレーザーブレーキをレーダーブレーキと表記するスズキのシステムはちょっとおかしいんじゃないかと。
この違いを今まで詳しく考えてことがなかったんですが、今回掘り下げてみたいと思います。
まずレーダーとレーザーの違い。これは波長の長さの違いだそうです。レーダーは波長が長くてレーザーは短いということ。波長が長いと遠くまで届く。短いと遠くまで届かないけど反射しやすくなる。
波長が長い方から
ミリ波レーダー→赤外線→可視光線→X線→ガンマ線
とこんな感じで波長が変化して行くそうです。そして、レーダーとレーザーの区切りが大体ミリ波レーダーの後がレーザーとなっていくそうです。
自動車メーカーのミリ波レーダーは各社共通の75GHzの電波を使用しているということ。
衝突被害軽減ブレーキではレーダー方式とレーザー方式に区別が出来ますが、スズキはレーダーと表記しています。スズキでミリ波レーダーを搭載しているのは普通車のソリオであって、ワゴンRなどの軽自動車は赤外線のレーザーを使用したものになります。
つまり、ミリ波レーダーのように100m先の車を検知して、高い速度で作動するものではありません。あくまでレーザー方式は低い速度域でのアシストブレーキになります。時速30km以下です。その辺を理解していないとごちゃごちゃになってしまいますね。
問題なのはメーカーでよんでいる名称になります。
各自動車メーカーの衝突被害軽減ブレーキ呼称
トヨタ プリクラッシュセーフティーシステム(ミリ波レーダー)
日産 エマージェンシーブレーキ(カメラタイプ、ミリ波レーダータイプ)
ホンダ 衝突軽減ブレーキ(ミリ波レーダー)、シティブレーキアクティブシステム(レーザー)
マツダ スマートシティブレーキサポート(レーザー)、スマートブレーキサポート(ミリ波レーダー)
スバル EyeSight(ステレオカメラ)
三菱 e-Assist(ミリ波レーダー)
スズキ レーダーブレーキサポート(レーザー)
ダイハツ スマートアシスト(レーザー)
どうでしょう?スズキだけは赤外線レーザーシステムをレーダーブレーキサポートと表記しています。ちなみにソリオに搭載されたミリ波レーダーの方式のものをレーダーブレーキサポート2として呼ぶそうです。この呼び方に誤解を招くのでやめた方がいいですよね。
すべてのシステムに言えることですが、システムはあくまでサポートするものという認識程度でいてください。システムを過信すると事故につながります。ひやっとした時にもしかしたら助けてくれるかもしれないシステムくらいに考えていないと、責任問題がまたややこしくなります。
基本的に時速30km以下のシステムは31kmになったとたん効かなくなります。それくらい制御はシビアですから。ついていると安心だよね。というくらいの感覚でいましょう。事故は間違いなくシステムを増やせば減る筈ですから。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。