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新型クラウンのエアコンガスはHFO-1234yf!ガス補充で従来の5倍以上のお金がかかる!

新型エアコンガスR1234yf

新型のクラウンが発売になり、コネクテッドカーという新しい試みが搭載されたとネットで大きく取り上げられました。

僕も新しい技術を勉強しようと思い、新型クラウンのカタログを眺めていたら聞きなれないキーワードを発見しました。環境仕様の欄でエアコンに封入されている冷媒がHFO-1234yfと記載されています。

従来のエアコンに使われている冷媒ガスは昔のR12からR134aに代わっています。それがここに来て新冷媒としてR1234yfという冷媒が登場しました。

R1234yfについて詳しく調べてみました。

R1234yfを初めて冷媒に使った車はホンダのクラリティフューエルセル。2016年3月に日本で最初にR1234yfが搭載されていました。燃料電池車ですね。知らなかった・・。

何故R134aからR1234yfになった?

どうしてR12から代替フロンR134aに移り変わって、急に新冷媒が使われるようになったか?R134aとR1234yfは何が違うのか?

さらに詳しく調べてみました。

まずR12からR134aに変わった背景はR12がオゾン層を破壊してしまうところから始まっています。エアコンの修理でガスを抜かないといけないときは、ガス回収機できちんと回収しないといけません。

で、環境に悪いから。ということでR12からR134aに切り替わった。このあたりは詳しい人ならなんとなく覚えているかと思います。ではR134aとR1234yfは何が違うのか?

一番は温暖化係数という数値です。

R134aの温暖化係数は1430です。対してR1234yfの温暖化係数は1。これが何を意味するか?GWPと表記される温暖化係数ですが、二酸化炭素を基準にし他の温室効果ガスがどれだけ温暖化する能力があるかを数値化したものです。

簡単に書くとR134aはオゾン層は破壊しないけど、温暖化の原因になる。なので新冷媒に求める性能はより環境に優しいもの。温暖化係数が低いものでないといけない。ということ。

これも知らなかったんですけど、フロン排出抑制法というものがあり2015年の4月に2023年度以降に発売する車はGWPが150以下の冷媒を使わないといけない。と決まっていた。

いやーこんなことも知らなかった。

つまり、これから出てくる新型車に関して言うと順次新冷媒を搭載してくるということです。温暖化に優しいガスを使わないといけない。そう決まってしまったから。

R134aとR1234yfの違いは?

それでは、R134aとR1234yfの違いは他にあるのか?という点についてです。

一番違うのが先ほど述べた、R134aの温暖化係数1430に対してR1234yfは1。

その他に違う点はR134aは不燃性なのに対し、新冷媒のR1234yfは可燃性。

肝心の冷房能力はどうかというと、R134aを100だとすると新冷媒のR1234yfは90〜95。つまり冷媒としてはR134aの方が実はよく冷える。という点。

ガスの回収に関してはR134aは大気開放は不可で回収しないといけません。が、R1234yfは大気開放OKになっていたりします。大気に開放しても有害じゃないっていう点では進化しています。

ここまではガスの比較です。続いて車のエアコンシステムで何が変わってくるのか?

まず、R1234yfとR134aのゲージマニホールドをつなぐチャージングバルブは大きさが変わっていて基本的にR134aが入れられないようになっています。

そして使用するコンプレッサオイルも変更されています。従来型はND-8なのに対しR1234yfではND-12を使わないといけません。ハイブリッド車の電気式エアコンコンプレッサは絶縁オイルのND-11です。

最後に一番の問題点。これはもうびっくり仰天でした。それは価格なんです。

R1234yfガスは1缶1万円オーバー

これが言いたいがための前振りでした。なんとR134aと同量のR1234yfは価格で1万円オーバーなんです。

現在使われているR134aガスって、1つ300円程度で買うことができます。これを車屋さんでは1缶1200円程度で販売しています。

しかーし、今度のR1234yfは1缶1万円オーバーです。

AmazonでR1234yfの200g缶がまだ出回ってないので、参考イメージとしてみてください。とにかく冷媒が高い。これが一番の問題です。

つまり、通常エアコンガスを補充すると1缶で3000円程度取られていたのが相場です。それが15000円程度になるということ。2缶入れれば30000円くらいになっちゃう。

これからのエアコン修理ってものすごく高額になっていくわけです。おそらくR1234yfの搭載される車の絶対量が増えてくれば少しはコストダウンしてくるだろうけど、高すぎる・・。

これから考えられるのはR1234yf搭載車のエアコンガスが漏れて、保証がきかなくなった車などにR134aを入れる人がでてくるんじゃないかなと。技術的には、コンプレッサオイルを入れ替えて、チャージングバルブを変換アダプタなど使えば可能だと思います。

車が廃車になるまでエアコンが壊れなければいいけど、不幸にもエアコンが壊れてしまうと修理代が今まで以上にかかるということです。

まさかの新冷媒R1234yf。順次搭載車は増えていきます。頭の片隅にでも入れておいてください。

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