スズキよりサービスキャンペーンが5月29日に発表になっていたので紹介します。ちょっと重たい内容です。
内容が2種類あります。
エブリィ・キャリィに搭載されているR06Aエンジンに異音が発生する不具合があり、サービスキャンペーンが出されています。
その他同様のR06Aを搭載している乗用車については保証延長となっています。
スズキより発表になったエブリィとキャリィのサービスキャンペーンの内容はどういうものか？
不具合の内容
R06A型エンジンにおいて、クランクシャフトとベアリングキャップの隙間が大きいため、冷間時に高負荷運転を繰り返すと、スラストベアリングが潤滑不良により早期に摩耗し、異音が発生するおそれがあります。
スズキHPより引用
不具合に対しての対策はというと
エンジンを点検し異常が認められる場合には、シリンダブロック、スラストベアリング及びクランクシャフトを対策品に交換します。
スズキHPより引用
となっています。
クランクのスラストベアリングってどういうものか？これ、エンジンのど真ん中心臓部にあたる軸方向のベアリングです。ここに不具合がでるということすなわち、エンジンOHにあたる作業となります。
シリンダーブロック・クランクシャフト。スラストベアリングの交換となると、エンジンを降ろしてヘッドとブロックを分解。
そこからさらに分解を進めてピストンとコンロッドを取り出して、ようやくクランクシャフトにたどり着けます。
シリンダーブロックまで新品になれば、腰下のOHとほぼ同等レベルの作業になります。
エブリィとキャリィのMT車・AGSの車が対象となっています。
ワゴンRやハスラー、ジムニー、アルトやラパンなど乗用車にも同等の不具合が発生するということで、こちらは保証延長となっています。
従来の保証は5年10万キロまでだったのが10年20万キロまでOKとなりました。
エブリィとキャリィには期間を設けていないサービスキャンペーンとなっているのに対し、他の車種は保証延長というくくりになってるのも不思議です。
おそらくエブリィとキャリィは貨物車で、荷物を積み込んだりで他の車種よりも負荷が高くかかるためサービスキャンペーンとしているのかもしれません。
ジムニーも不具合が発生するということで、保証延長となっています。
最近のスズキ車はR06Dでもエンジン異音がでるということで、サービスキャンペーンをだしています。
熟成が進んでいるR06Aでもこのような不具合が発生するとなれば、対象車種が相当数に上ると思います。
エブリィとキャリィだけでも413407台も該当になります。他の車種については台数こそ記載がありませんが、車体番号のロットで確認する限り膨大な台数です。
ちなみにOEMであるスクラムやクリッパー、ミニキャブなども同じ内容のサービスキャンペーンが出ています。
もし、エンジンから変な異音が発生してきたら点検してもらって下さい。
作業は部品が揃っていたとして1週間くらいかかるかもしれません。R06Aエンジンに乗ってる人は頭の片隅に入れておいてほしい内容です。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。