パワステフルードの交換とエア抜きの方法について

車のハンドルをアシストするパワーステアリングは大きく2つにシステムが分けられます。1つが油圧を使うタイプ。パワステのポンプで油圧を作り、その油圧を作ってステアリングラックの油圧シリンダーを動かすもの。

もう一つは電動でアシストする電動パワステ。これはステアリングシャフトにモーターをつけてモーターの力でハンドル操作をアシストしています。

今回は油圧パワステの話です。

パワステフルードってあまり交換という話を聞かないオイル類に入ります。成分はATFにかなり近い。メーカーによってはATFと共用のタイプもあります。

しかし、オイルやらフルードと名がつくものは必ず劣化してきます。パワステの場合、かなりの油圧がかかります。そのパワステフルードは、パワステのポンプからエンジン回転数と比例してホースを伝ってステアリングラックへ繋がる。

ステアリングラックの油圧シリンダー内を通り、再びリターンパイプを通って戻ってくる。この一連の動作をずっと繰り返しています。

パワステフルードのタンクに若干の網フィルターを備えている車はありますが、そのほとんどはずっと同じフルードを行き来しています。

以前も、年式の古いイプサムに乗った人が

「ハンドルを回すと異音がする」

という相談にきたことがあります。症状を確認すると、明らかにパワステラインにスラッジが溜まってる系の音。

ハンドルを切った時に、ハンドルへジャダーというか振動が伝わってくる場合、パワステフルードのスラッジが原因となっている場合が大きいです。

パワステフルードの交換は簡単にできます。本格的にホースを切り離して交換するのは若干ハードルが高いし汚れます。それよりも簡単な方法。

パワステフルードのタンクからスポイトで古いフルードをできる限り吸い取ります。吸い取った分だけ新しい新油を補充する。

新しいフルードを入れたらエンジンをかけてハンドルを左右に何度か切ってエンジンを止める。そしてまたパワステフルードのタンクからスポイトでフルードを抜く。新油を足す。エンジンをかけてハンドルを切る。

この繰り返しをする。いわゆる希釈法とでも言うんでしょうか?この方法ならば順序をきちんと守ればエアーも混入しないし、お手軽に古いフルードを排出できます。

参考までに、ステアリングラックを新品に交換して、内部にエアが混入している場合のエア抜き方法も紹介。

この方法はリビルトラックに添付されてきたやり方です。

1、リフトアップ

2、オイルタンクにオイルを十分に補給。タンク内のオイルが無くならないように、エンジンをかけないでハンドルを左右いっぱいまで切り返し、オイルタンク内の気泡がなくなるまで補給しながら切りかえす(約10〜15回)

3、オイルタンク内のオイル量を確認後、エンジン始動。

4、エンジンのファーストアイドルが落ち着くまで放置する。

5、ファーストアイドルが落ち着いて、エンジン回転数が低下したらもう一度オイルタンク内のオイルを気にしながらハンドルを左右に切り返し、エア抜きをする。

要約するとこんな感じ。

ポイントは、パワステラインにエアが噛み込んでいるのがわかってる場合、エンジンをかけないでエア抜きをする。そして、エアがある程度落ち着いてエンジンをかけてエア抜きする時は、ファーストアイドルが落ち着いてエンジン回転数が落ちてからにする。ということ。

これを守らないとポンプに負担がかかって壊れることがあるそうです。今まで普通にポンプを何度も交換してきましたが、なかなか失敗するということはないですけどね。念には念を入れて。

電動パワステならいいんですが、油圧のパワステを使ってる場合たまにはフルードを交換してあげましょう。

年式が経過してきたら、ゴムホース類も交換したほうがいいです。最近トヨタ車でよくリターンホースに穴が開いて、オイルまみれになってしまった車の修理をしました。

高圧ホースの交換は簡単には行きませんが、リターンのホースくらいは経年劣化してきたら交換してあげるのがいいと思います。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする