交換が実は簡単なオイルなのに、なかなか交換してもらえない。さらには、交換すると劇的に体感ができることがあるオイルといえば・・・パワステオイルです。
昨日、180SXのパワステオイルを交換してきました。
そもそもパワステオイルって何かと言うと、油圧でステアリングをアシストする機構です。パワーステアリングには油圧式と電動式があります。
それぞれ違いがあり、今は大半の車が電動パワステになってきています。油圧のパワステはエンジンのクランクからベルトを介してポンプを駆動。
そのパワステポンプから排出されるオイルで、ステアリングラックのパワーシリンダーを圧力でアシストする。
油圧パワステの方が、よりナチュラルなハンドリングに近い操舵感がありますが、電動に比べてやはりオイル漏れのトラブルが出てきます。
電動パワステは、油圧に比べて車速などいろんなものを検知してアシスト量を決定しています。油圧に比べてかなり軽い車種もあり、若干違和感を覚えることがある。それでも電動が増えてきているのは、油圧に比べて故障が少ないということと、制御が昔に比べて上手になってきたということ。
そんなパワステ。油圧パワステのオイルを交換する人って少数派です。ずーっと交換されてこなかったパワステオイルを新油に入れ替えるとどうなるか?
これはハンドルが劇的に変わります。
やはりオイルなので、使ってくるとスラッジが内部に体積してきます。これがハンドルをきった時に嫌な手応えとして帰ってくる。
ハンドルをきると「ジジ」っといったアクション。オイルを交換するとこういう引っ掛かりがなくなってくる。
パワステオイルの交換はとても簡単です。厳密にやるにはリターンのホースを抜いて新油を入れるという方法をとりますけど、そんなことをしなくても希釈法で十分いけます。
スポイトとかでもいいんです。フルードが吸えるものであれば。僕はサクションガンを買ったので試してみました。
まずはエンジンを停止して、タンクの中のパワステオイルを吸えるだけ吸い取ります。
廃油はきちんと処理してくださいね。比較のために一度ペットボトルへうつしています。
そして新油を入れる。
新油を入れたら蓋をしてエンジンをかける。
エンジンをかけたらハンドルの末切りを何度も何度も繰り返します。こうすることで、新油と古いオイルを少しずつ混ぜていく。
20〜30回末切りをしたら、エンジンを停止してまたフルードを吸い取る。
そして新油を入れる。また20〜30回末切り。
これをひたすら繰り返します。欲を言うと2リットルくらいオイルは用意しておいた方がいいと思います。1リットルだとそこまで行き渡らない。
最後にちゃんと規定量入れられるだけのオイルは残しておきましょう。
パワステオイルの交換はこれだけです。とても簡単。
左が抜いたオイル。右が新油。これだけ色に差がでてきます。
この180SX、おそらく交換が定期的にされている模様で、言うほど汚れていませんでした。しかし、新油を入れたステアリングタッチはやはり引っ掛かりが減ってスムーズになっています。
パワステオイルは1リットル単位で売っています。1000円弱くらいから購入できるし、ジャッキアップも必要ありません。
少ないコストで比較的大きな効果が得られるパワステオイル交換はおすすめです。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。