つい先日も高齢ドライバーによる痛ましい事故が発生しました。
ドライバーさんは89歳だったそうで、まずはその年齢にびっくりしますよね。89歳でも車を運転しているんだって。
僕の会社のお客さんで、最高齢というと93歳でまだハンドルを握ってる方もいます。年齢を重ねていくと、反応速度などはやはり衰えていくのは否めません。
そして、今回の加害車両はなんだったのかと、ニュースでシルエットを確認したらトヨタのプリウスですね。30プリウス。
プリウス自体かなり売れた車なので、乗ってる人は多いと思います。
事故の原因はドライバーの踏み間違いだと自身で証言をされています。プリウスのペダル類はどうなっているのかを撮影してきました。
こちらはプリウスαのペダルレイアウトです。30プリウスとほぼ似たかよったかです。こうしてみると、普通のAT車と変わらないでしょう?
サイドブレーキも足踏み式の3ペダルレイアウト。アクセルとブレーキの間隔も他のAT車と何らかわりありません。
つまり、プリウスだから踏み間違いをしやすいという認識はまちがっているわけです。
プリウスで特徴的なのはシフトレバーです。多分乗ったことがない人だと、どのようにDレンジに入れるのか困惑するかと思います。
というのも、通常のAT車ってシフトレバーを動かすと、そのポジションで固定されますよね?
PだったらPの位置。DだったらDの位置でレバーは固定されます。
シフトレバーを見ても、どこのギヤに入っているかは認識しやすい。もちろんメーターにも現在のシフトレンジが表示されるので二重で確認が取れやすいわけです。
ではプリウスはどうか?
プリウスの場合、シフトレバーを右へ移動させて下へもっていきます。するとDレンジに入ります。
ではシフトレバーはどうなるか?
Dレンジに入ったら、実はシフトレバーはデフォルトの位置に戻っちゃうんです。
従来のレバーのようにガチャガチャとした感覚ではなく、スーッと移動してパッともどってしまう。
シフトレバーを見る限りではどこのポジションに入っているかが分からない。
もちろんメーターにはシフトポジションが表示されます。
なんでこんなシフトを採用しているのかっていうと、プリウスのシフトレバーはバイワイヤなんです。
従来のレバーはレバーとミッションがワイヤーでつながっています。レバーを動かすと、ミッションのレバーが動かされて機械的に動作を伝えます。
プリウスのはワイヤーを使ってない電気的なスイッチになっています。シフトを動かしてスイッチを入れるという感覚。これが戸惑う原因にもなってくるかと。
このシフトレバーは同じくプリウスです。50プリウスのもの。
やはり、同じ操作です。
これはホンダのフィットです。フロアにシフトは付いているものの、やはり操作はプリウスとにています。
こちらは日産のリーフ。やはりシフトバイワイヤなので、操作する感覚はプリウスと一緒。
EV走行モードが出来る車種の多くがシフトバイワイヤになっています。シフトレバーという名のスイッチになっていて、操作をしたらデフォルトの位置に戻ってくる。
プリウスを含むシフトバイワイヤを採用している車でわかりにくいのが、シフトポジション。
今までAT車に乗りなれている人は、シフトレバーの位置でポジションを判断する癖を持っている人がいます。それが通用しない。
つまり、この手の車に乗り換えたばかりだと、一体どこのギヤに入ってるんだ?ってシフトレバーを見てもわからないわけ。
今回の事故ではフットブレーキを踏んでいたけど、車がじわっと動き出したからあわててペダルをふんだら、ブレーキとアクセルを踏み間違えたと言っています。
防ぐにはどうすべきか?
この手の事故って、駐車中や停車中からいきなり加速するパターンが多いです。
もし車が動き出して焦ってしまったら最初にやるべきことはブレーキよりも、Pレンジに入れることだと思うんです。
ペダルだと操作を間違える可能性がある。
特に足元なんか見えないわけでしょう?僕だったらとにかくPレンジへ入れますね。その方が安心です。重大な事故になるよりはミッションの中が少し負担になるけど、Pレンジに入れてとりあえずロックする。
その後ブレーキを踏む。もしPレンジに入っていればペダルを踏み間違えても車は動きません。
気が動転してペダルを操作すると、足元は見えないわけだから間違える確率が高くなる。見える部分を操作するのは、確認しながらできるので間違えません。
普段からそういうトレーニングを意識して行っておくことがベストだと思う。
Pに入らないならとりあえずはニュートラルに。そこからブレーキ。もしレバー式のサイドブレーキがあるのなら、フットブレーキよりサイドブレーキが有効です。足踏み式のサイドは踏み間違えるかもしれないからやめたほうがいい。
何が言いたいのかというと、プリウスが悪いというわけではないのです。
確かにシフトはわかりづらいけど、それはホンダも日産も同じという事。
慌てる前にPのボタンを押す。これが重要です。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。