国土交通省より新型コロナウイルス感染症対策として、「自動車検査証の有効期間を伸長」という措置が発表になりました。
実はこれ、今年度でいうと2回目の措置になります。2019年に台風19号で甚大な被害を被った地域に関しても同様の措置が行われました。
詳しくお伝えしてきます。
車検期間の伸長とはどういうことか?これは簡単にいうと車検の満了日を伸ばしてくれるということです。
対象になる車両
自動車検査証の有効期間が満了する日が、2月28日から3月31日までの自動車全て
車検証の左下のあたりを見てみると、有効期間の満了する日が記載されています。これが平成32年2月29日から3月31日までの車です。
本来であれば満了日の1ヶ月前から車検を受けて、有効期間を更新しないといけませんでした。しかし、対象になる車両については自動車検査証の有効期間を4月30日まで伸長するとされました。
つまり対象車両については、4月30日までに車検(継続検査)を受ければ問題ないということです。
今回の車検期間伸長の目的は言うまでもなく新型コロナウイルスの感染拡大防止です。3月って自動車業界で一番忙しい月なんです。
決算を控えている企業も多く、1年を通して利益を出すためにかなりの台数新車などが売れる月になります。
新社会人への備えとして車を買う人も多く、通常の倍くらい陸事が忙しくなります。数多くの車が3月に登録をされているため、車検も3月の台数が多い。
陸事に行ってみるとわかるのですが、外国人のバイヤーもたくさん出入りされています。まさに多国籍であり、いろいろな地域の人が出入りするためコロナウイルスのホットスポットと化すのは容易に想像ができました。
車検期間を1ヶ月伸長することで、これらのピークをずらすのが狙いです。
殆どの車って、車検の満了日とほぼ同時期に自賠責保険も終期を迎えます。中には1ヶ月延長して加入されている場合もありますが、それであっても今回の伸長措置をフルに使うと自賠責保険が切れる可能性もあります。
例えば満了日が2月29日の車を伸長措置上限の4月30日に車検をすると、およそ2ヶ月間は自賠責保険も加入されていない状態になると。
これについては、4月30日までに車検を受ける際2ヶ月分の自賠責保険代を支払えば問題ないとの事です。普通に車を使い続けることができるということですね。
それではこの車検期間伸長の措置はどの程度効果があるのだろうか予想してみます。
これ、広く認知されなければ効果は薄いと僕は思います。まず、ユーザー側からすればわざわざ車検の時期をずらす必要性がありません。
業者によっては車を引き取り納車してくれるサービスもあります。自分で工場へ搬入して取りに行かないといけないユーザーにとっては一定の効果があるかもしれません。
ですが、実際はどうなのかなって。台風19号の時、僕が住んでいる地域も見事に水没して車検期間も伸長されました。その時はどうだったか?
はっきり言って伸長措置を使った車は1台たりともありませんでした。その前に廃車になっちゃったとかそういうのが多かったから。
今回はどちらかというと、業者向けの伸長措置ですよね。結局はピークをずらしたところでやることに変わりはないので。指定工場なら保適を切れば2週間以内に登録に持ち込まないといけないし。
工場サイドがお客さんに提案するという手段を使えば、ある程度の効果はあるかもしれませんね。
ざっとまとめてみます。
・対象車両
自動車検査証の有効期間が満了する日が、2月28日から3月31日までの自動車全て
・措置内容
自動車検査証の有効期間を4月30日まで伸長。
・車検はどうする?
4月30日までに車検をすれば引き続き車をつかえる。
・自賠責保険が切れても大丈夫?
車検時に空白期間の自賠責保険代を用意しておけば問題なし。
そんなわけで、この記事は拡散希望です。陸事はヤバいですよ。3月の下旬なんか廃車手続きラッシュになるので、相当な順番待ちだし。そこにコロナウイルスが出現したら、相当な人が感染するのは目に見えています。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。