昔の車っていうのは、燃料装置がキャブレターでした。それが電子制御になりインジェクターが装備された。
キャブの時代っていうのは、混合気がうまくコントロールできなかった。キャブレターっていうのは機械式のメカニズムアクセルケーブルから繋がって、リンク系統をもたせシリンダーへ燃料を送ります。
キャブも後期になってくれば、いろんなソレノイドバルブを取り付けたりして補助してきました。が、時代の流れでそれら全てを電子制御に変更になりました。
電子制御のインジェクターでは、水温を検知して適切な燃料噴射をコントロールしています。それこそアクセル開度も電子スロットルになり、すべてECUが細かく制御しています。
キャブの時代は、朝エンジンをかけると片肺だった。なんていうことはしょっちゅうです。燃料がうまくコントロールできないから、エンジンを回さない人ほどプラグがくすぶりやすい。
そのままでいると、失火してしまう。
プラグがくすぶって失火してしまった場合、レーシングという儀式をすると復活することがあります。
レーシングというのは意図的な空ぶかしです。
片肺になりかけているエンジンを空ぶかしすると、最初は
「ウィーーーーーーーーンーーーーーボボッーーーーーボボ」
とこんな感じで「ボボ」という失火している音がたくさん出てきます。
エンジンを回し続けることにより、「ボボ」が少なくなって最終的には音がしなくなります。
プラグのカーボンがシリンダーの熱で焼き切れて、きちんと点火できるようになったということです。
これが完全に失火してしまっているプラグだと、いくらまっても失火はなおりません。
それこそプラグを一度外して完全に乾かすとかしないとだめ。レーシングし続けると下手すれば排気温度センサーが点灯してしまう可能性もあります。
キャブ時代のプラグはよくかぶったりしたので、すぐに脱着できるようになっていました。ですが今のインジェクションの場合はそう簡単には外れません。
頑固なやつが、エンジン初爆はするのになかなか火が入らないもケース。トヨタの6気筒とかがよくあるんですけど、チェイサーやらマーク2やらです。
10万キロを超えると、プラグも減ってくるのでエンジンがたまにくすぶったりする。そうすると大変。一度かぶってしまったら、プラグを脱着しようにもマニホールドを外さないといけません。
そんなこと現場ではできないから、外せるプラグだけ外して火を入れる。火が入ったら工場へ持って帰ってプラグを換える。
最初エンジンがかかる時はものすごく煙がでます。溜まった燃料が燃えるわけで、もくもくです。
今じゃプラグをかぶったらレーシングっていうのは古くなってしまいました。逆にプラグがかぶったらとても大変です。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。