パレットですが、エアコンが効かないという事で入庫してきました。
症状を確認すると、確かにエアコン全開にしても全く冷たい風が出てきませんでした。
エアコンのコンプレッサは駆動していて、ガスはある程度入っているようです。それにしても全く効かないというのはちょっと解せない。
詳しく見ていくと、とあることに気が付きました。
エアコンはオートエアコンで、スイッチを入れるとAUTOの文字が点滅しています。
これは、もしかしてと思ってさらに診断を進めました。
オートエアコンのシステムですが、温度センサの他にサーボモーター、あとはコンピューターで構成されています。
マニュアルエアコンとの違いは、温度センサで車の温度を検知して、設定した温度に向けてエアコンをコントロールしています。
たとえば25度に設定したとします。今の時期なら、エアコンで稼働します。
では真冬に25度で設定したらどうか?外気温が氷点下の場合、室内を25度にするにはヒーターにしないと駄目です。
同じ25度の設定でも、時にはエアコン。時にはヒーターを温度によって自動で切り替える。これがオートエアコンのシステムです。
エアコンのガスやコンプレッサがちゃんと駆動しているのに、冷たくならない。となると今度は室内側のオートエアコンシステムの不良が考えられます。
一番考えられるのがエアミックスアクチュエータと呼ばれるサーボモーター。ヒーターコアをモーターを使って動かして温度やら、風向やら、内気外気を切り替えています。
緑のカプラがつながっているのがエアミックスアクチュエーターその1。これは運転席側から真ん中についているもので、どうやらこれは風向を動かしているもので、ちゃんと動いています。
続いてこちら。これは内気外気を切り替えてるエアミックスアクチュエーター。これも動いてます。
最後に助手席足元側にあるエアミックスアクチュエーター。温度設定をいじっても動かない。どうやらこれが不良になっているようです。
ただ、電源系統なのか、本体なのかの切り分けが必要。
診断機をつなぐと、コードが残っています。現在故障。
単体試験でテストすると動きません。内部でショートしているようで、交換したら直りました。
もし、部品がすぐに間に合わない場合、エアミックスアクチュエーターにつながるリンケージを外して、一番エアコン全開の方向へリンケージを手動で動かしておけば、エアコンはちゃんと機能します。
部品はすぐに間に合ったので交換で終了。
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ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。