OBD2が車に搭載されるようになって、エンジンチェックランプが点灯。コードを診断機で読み取るとP00・・。なるほど!このセンサが異常なのか!交換しよう!
整備士よくあるあるです。
ダイアグノーシスで確認できるシリンダの失火は、各気筒ごとモニタすることが可能です。
しかし、P0300というコードは少し様子が違ってきます。
このコードは複数シリンダの失火信号というものです。この手の故障コードが出てきたとき、コイルが壊れかけている・・プラグが駄目になっている・・。
と、コイルとプラグ全数交換の診断をしがちな整備士が多いです。順を追って診断していかないと痛い目を見ることがあります。
最初に行うことは、現在故障として立ち上がってくるコードなら、故障を綿密に再現できるようにすること。
例えば、登り坂で急なスロットル開の時に失火症状がでて、ランプが点灯する。加速しようとしたときに、エンジンがぐずついてコードが出るなど。
どんな故障にも共通しますが、まずはその故障を再現すること。再現できるようになったら、いろいろと試していく。
P0300の他に、各シリンダに失火が出ていれば、まずはコイルを入れ替えて症状が逆転するかを点検。コイルを交換しても症状が逆転しない場合、プラグを入れ替える。
この時やってはいけないのはコイルとプラグを同時に付け替えること。もし症状が逆転した時、コイルが原因なのかプラグが原因なのかが絞り込めなくなります。
もしP0300の他にP0171リーン異常などが出ていたら、吸気系統をくまなくチェックしてください。
以前、日産セレナでP0300複数シリンダ失火とP0171リーン異常の両方が出たとき、原因がエアフロにゴミが付着していたこともありました。
はエアクリーナーケースに取り付けられていることが殆どです。それ以降のパイピングやダクトもよく確認すること。
エアダクトに亀裂などが入ってるとここからエアを吸い込んでリーンになる事もあります。
このぐらいの亀裂だと、エンジンチェックランプが点灯するというところまでいかなくて、体感的にエンジンの吹けが悪くなることがあります。
いわゆる表面化してこない故障です。
今まで何台も故障診断をしてきましたが、インジェクタの故障というのは数えるくらいしかありませんでした。
エンジン不調の多くが点火系統です。
インジェクタの不良は、サウンドスコープで作動音を聞くところから始まります。
きちんとカチカチ作動しているのに、燃料がリーンになっている場合。失火しかかっている場合。
バックファイヤするなどの症状が起きている時は、一旦インジェクタを外して点検する必要がでてきます。
インジェクタが壊れる原因って、以外にもエンジンオイルに起因することがあります。オイルを規定量以上入れすぎると、ブローバイがインテークに戻されてインジェクタを詰まらせる。
オイルの入れすぎは百害あって一利ありません。
エンジン不調の原因は電子部品が壊れているだけというわけではありません。電子部品が完全に壊れると、ダイアグノーシスが教えてくれるのでさほど難しくありませんが、ダイアグにも上がってこないエンジン不調は基本に立ち返って一つ一つつぶしていかないとご診断につながるのっで要注意です。
距離を乗ってきた車や経年劣化が進んでいる車はエアダクトやバキュームホースなど一度新品にすることで、余計なトラブルを避けることができるといえるかもしれませんね。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。