なんとも長いタイトルになりました。
ちょっとお知らせしておきたい情報です。一例として出してるのがアウトランダーPHEVです。この車の2017年2月以降のモデルはサイドブレーキが電動化されています。
これはアウトランダーのものではないですが、電動サイドブレーキです。
電動サイドブレーキの構造は簡単。リヤキャリパーにモーターを1つ取り付けています。スイッチを押すと、モーターが動いてリヤキャリパーのピストンを押す仕組み。ほとんどの電子制御パーキングブレーキは、このようにモーターが付いています。
N-BOX SLASHの電動パーキングブレーキは点検整備時には解除が必要!解除方法
以前は
NBOXスラッシュの電動パーキングブレーキについても書きました。
そして今回はアウトランダーPHEVです。
紹介するのは電動パーキングブレーキが付いたこのアウトランダーPHEVでのリヤブレーキパッドの交換方法です。
通常のブレーキパッド交換とちょっと違うところがあるとすると、電動パーキングブレーキを最初になんとかしないといけないということ。
普通ブレーキパッドを交換する時って、キャリパーのピストンを縮めますよね?そうしないと新しいブレーキパッドがブレーキキャリパーにはいりませんから。
だけど電動パーキングブレーキが搭載されていると、普通の方法ではキャリパーのピストンが縮みません。その理由は、いつでも電動パーキングブレーキがスタンバイしているから。
モーターの先端がキャリパーのピストンの近くまで伸びています。なのでピストンを戻そうとしてもちょっとしか戻らない。電動パーキングブレーキを一番戻した状態にしてやる必要がある。
メンテナンスモード移行方法
1、車をリフトアップ
2、パワースイッチの電源モードをOFF
3、PポジションにしてパワースイッチをON
4、ブレーキペダルを踏み込む(10の項目まで維持すること)
5、電動パーキングブレーキスイッチを操作して、作動・解除操作を10回以上行う
6、ブレーキ警告灯と電動パーキング警告ランプが点滅する(マルチディスプレイには駐車ブレーキ一時使用できませんという表示が出る)
7、電動パーキングブレーキスイッチを操作して、パーキングブレーキの解除を一度だけ行う(作動音の停止を確認する)
8、7秒以内にブレーキオートホールドスイッチを10回操作。そのあと電動パーキングブレーキスイッチを操作してパーキングブレーキの解除操作を一度だけ行う。
9、電動パーキングブレーキ警告灯(黄色)が点灯しメンテナンスモードに入る。
(ディスプレイには駐車ブレーキ点検表示がでる。
10、保持していたブレーキペダルを離す。
11、パワースイッチの電源モードをOFFにする。
12、補機用バッテリーのマイナス端子を切り離す。
ここまでやったら電動パーキングブレーキをキャンセルできているので、Rrブレーキパッドを交換してください。
交換後、メンテナンスモードを解除します。
メンテナンスモード解除方法
1、補機用バッテリーのマイナス端子を取り付けて、パワースイッチをON
2、電動パーキング警告灯が点灯し、ブレーキ警告灯と電動パーキングシステムインジケーターランプが点滅。ディスプレイには駐車ブレーキ点検が表示される。
3、電動パーキングブレーキスイッチを操作。
4、通常モードに復帰すると、ブレーキ警告灯と電動パーキングブレーキスイッチインジケーターランプが点滅から点灯に変わる。
注意しないといけないのは、メンテナンスモードに入ったあとパワースイッチがOFFであっても電動パーキングのスイッチを触ってはいけないこと。
パワーがOFFでも電動パーキングは動くからです。
と、羅列して記載しましたが電動パーキングブレーキについては十分注意して整備してください。
アウトランダーの場合、電動パーキングブレーキのモーターのカプラーを外して、強制的にキャンセルさせるなんていう荒技もありますけどセオリーはメンテナンスモードを使いましょう
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。