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応急処置の整備は頭の回転がものを言う?

この間、ちょっと応急処置の修理を施しました。もう全然うちのお客さんじゃない人が
時間も差し迫っている中で何とかしてくれ!と。ナンバー見たらなんと仙台!遠いなぁ。今から仙台に帰らないといけないという。急いでいると。

車はスバルのサンバーバン。この時点である程度の知識を持っているので何とかしてやろうと頑張ることにした。が、同僚はいい顔をしていない。そんなのはスバルに行ってもらえと言われた。
でも困っているんだし何とかしてあげなきゃいけないでしょう。
症状はエンジンがすごい騒音を上げてガラガラいっている。音を聴いた瞬間にピンと来た。
明らかに何かのプーリーに異常をきたしている音だ。一番まずいのはクランクプーリーのトーショナルダンパーの破損である。どうもそれに近い音がした。

とりあえずエンジンフードを確認してエンジンをかけて各プーリーを見てみた。そうしたら、クランクは無事っぽい。ではなんのプーリーがおかしいのか?エアコンのコンプレッサーだった。
途中でエアコンも全く効かなくなって、音が凄くなった。でもこれから仙台まで緊急で帰らないといけない。
確かサンバーにはエアコンのマグネットクラッチかなにかのリコール出てなかったかなぁと思いつつ、補機ベルトを外した。そして工場に捨ててあった、交換後の4PK652というベルトがあったので、そのベルトをクランクとオルタネーターに引っ掛けてテンションを与えてエンジンをかけてみる。

これで応急処置の完成だ。エアコンはどの道使えない。でもエアコンのコンプレッサーにまでベルトをかけておくと、もっとコンプレッサーにダメージも与えるし、何しろプーリーが相当振れているので、ベルトが脱落しかねない。

幸運なことに、4PK652のベルトがあったから良かった。まだ亀裂も薄く、十分仙台までの走行に耐えられるものだ。

オーナーにはその旨を伝え、ファンベルトの取替え工賃だけをいただくことになった。部品じゃなくて工賃ね。
そして、自分の買った車屋さんでリコールの確認をしてもらってくださいと。
応急処置は整備士によって左右する。容量の悪い整備士や経験の浅い整備士では対応が出来ないケースが多い。
応急処置を適切に施せるようになるには、やっぱり自らをそういった嫌な現場へ駆り出す勇気を持った人間で経験を積まないといけない。その点ボクは出張で鍛え上げられているのでこんなもの屁の河童だ。

多分同じ出張内容でよーいドンをしたら僕は工場で確実に2番目には会社に戻ってこれる自信がある。
症状も見ないで断りを入れるほうが失礼だと思うんだけど。困っているんだし。

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