うちの会社もOSSを2年くらい前からスタートしています。
その中で、今まで不明だった点が2つほどわかったので、現場の皆さんと情報を共有したいと思い書いてみます。
指定工場で現役検査員をされてる人や、フロント業務、事業場管理責任者の人へ向けた内容になります。知っていれば読み飛ばしてしまってください。
まずはe-自賠について。OSSで車検をするには、お店で切る自賠責保険がe-自賠に対応していないと話になりません。
これは多分OSS導入前の段階から進められていたと思います。うちの会社も順序としてはプリンターの打刻印字だった自賠責から、完全全面印刷のオンラインe-自賠からスタートしました。
OSSをやるにはe-自賠対応店舗にて、自賠責を発行していることが最低限必要になります。
この時、自賠責を新自賠責をお客さんが持ち込んできた場合。この見分けかたが最初わかりませんでした。
例えば損保ジャパンだろうが、東京海上だろうが、あいおいだろうがどこでもいいんですが、Aという代理店で発行した自賠責はOSSできたのに、Bという代理店で発行してきた自賠データを入力してOSS申請したらはねられた・・・。
こういうことがたまに発生したんです。なんでだろうって。
意味がわからずOSSで引き受けにならないので、通常の紙保適で切り直さないといけない・・・。
整備振興会に聞いたら、e-自賠対応店舗で発行された自賠責じゃなかったから、引き受けになりませんでした。と。
それでは持ち込まれてきた新しい自賠責が、e-自賠対応代理店で発行されているのかどうか判別するにはどうすればいいか?
ここを確認してください。
自賠責証書の一番下の段。
ここに「登録情報処理機関報告契約」と、どの証書にも記載されているのがわかります。
そうなんです。これがe-自賠対応の自賠責証書になります。こちらが記載されている証書なら持ち込まれた自賠責であってもOSS申請できるんです。
こちらの自賠責に登録情報処理機関報告契約の記載がないため、OSS申請はできません。
従来タイプの紙保適で適合証を発行してください。
最終申請日の考え方の違い
続いては最終申請日の話になります。ここからは検査員の人と事業場管理責任者の人向けです。
仮に今日が4月10日だとしてください。
車検満了日が4月9日で、切れている車両に対して検査をしたい時。
4月10日なら、自賠責を2年車検の車なら24ヶ月で切ってしまった場合、その日に陸事へ登録に行かないとダメですよね。
なのでほとんどの人は25ヶ月で自賠責を発行すると思います。
OSSの場合、24ヶ月で自賠責を発行して、その日に引き受けになったら車検証を取りに行くのが翌日であっても大丈夫なんです。
一旦整理します。
従来の紙保適の場合、車検切れの車を検査する場合は陸事へ適合証などを提出する時点で、自賠責がまるまる24ヶ月残っていないとダメでした。
今日が4月10日
↓
車検切れ車両の検査をする
↓
自賠責を4月10日から24ヶ月で発行する
↓
4月10日中に車検証を登録してくればOK、4月11日に陸事に行って車検証を登録しに行くと、自賠責が1日分不足してしまう
なので、現場で働く検査員は登録に行く日を見据えて自賠責を用意します。ただ、自賠責を自分で発行できない検査員もいると、事務の人が自賠を切りますよね。
事務の人がわかってないと、自賠が足りなかったということがたまにあるんです。
僕は自賠取扱者の資格も持ってるので、自前で検査する車両の自賠は自分で発行してから検査するようにしています。
自賠切れを起こしやすいパターンとして、最終申請日が週末をまたぐ場合。
例えば今日は4月14日金曜日。
車検する車の車検満了日が4月15日切れ。今車検証とセットになってる自賠責は4月16日までだとします。
4月14日で、自賠は2日残ってるから24ヶ月で自賠責を発行すればいいやって。でも考えてみたら、最終申請日は4月16日で、日曜です。
日曜は当然陸事がやってないので、この場合の最終申請日って4月14日の金曜日と捉えなくちゃいけないわけです。
なのでこういったパターンの時は、登録に行くのが来週の月曜日だねってことであれば25ヶ月で自賠責は発行しておかないといけない。
これが紙保適の場合そうでした。しかし、OSSの場合は4月14日にデータ送信をして、引き受けになってれば、新しい車検証を取りに行くのが来週月曜日になったとしても、自賠不足には陥っていないんです。
検査をした日から2週間以内、適合証書の有効期間中に車検証を発行して車に入れ、検査標章、いわゆるステッカーを貼ればいいと。
この事実が知らなかったので、たまに僕がいない時に自賠を事務方が切って、最終申請日がやばいパターンの時、自賠責を一旦書損して25ヶ月で切り直すことがよくありました。
でも、OSSだと大丈夫なんです。引き受けになってれば自賠を切り直す必要もないと。
ある程度登録までの全体像を見ている検査員だと
自賠が今日までしかない車に対して保適を切ってしまった
↓
一旦保適を書損して、自賠も書損して25ヶ月で切る
↓
もう一度適合証を発行して登録に持ち込む
こういう流れでリカバリーをしたと思います。
しかしOSSでこれをやるとややこしいことになるんです。
自賠が今日までしかない車に対してOSSで申請してしまった!
↓
整備振興会へ電話して、OSS申請を止めてもらい、一旦自賠を書損して、25ヶ月で切り直す
↓
実は24ヶ月の自賠で、明日が土日であったとしても車検証は発行手続きに進む
↓
え?もう自賠責を書損して25ヶ月で切り直しちゃった・・・。適合証の自賠データと切り直した自賠の番号が変わってしまう・・・
↓
チーン・・・
こうなってしまいます。焦って自賠責を切り直さないで、一旦OSS申請が引き受けになったかどうかを確認してから次のアクションへ移してください。
僕は一度この失敗をしたので、学びました。
僕自身確認しながらやってれば、絶対こんなパターンには陥らないんですが、その日は代務者だったんです。
事務方が自賠を切って、違う検査員が検査して、それを事業場管理責任者不在のため検証してたら、自賠足りなくなるやんって。
なかなかの騒動になりました。みなさん、お気をつけください。まあ何かあった時のために、この手のパターンの時は、25で自賠は切ったほうが安全です。オンラインだって、ネット回線い問題が出た時その日に引き受けにならないでしょうし、
「お宅さんが自賠責を25で切っておけばこんなことにはならなかったんだよ」
って、陸事側から言われることは明白です。
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ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。