国土交通省が大型トラックのタイヤ交換について動画を作成しました。僕もこの動画を見ましたが、勉強になる事が多かったので、まずは視聴することをお勧めします。
最初に動画を見て思ったのは、ここまで徹底して作業をすればヒューマンエラーなどによるタイヤの脱落事故はかなり減るだろうなと。
というのも、タイヤ交換の時期って雪がちらつくと一斉に依頼が入るため、どうしても突貫工事に近くなることがあります。
全てを完全予約制にするとか、そもそもかなり事前に少しずつタイヤ交換を実施するなど、事業者側にも工夫が必要だと思います。
例えば、タイヤの脱着時にホイールセンタリングスリーブを使っている工場がどの位あるか?うちの整備工場ではISO規格になったトラックをほぼ扱っていませんので、何とも言えませんが。
ISO規格のタイヤのネジって細長いですよね?
ハブボルトがこんなにも細長いんだなと。JIS規格だと、そこまで長くはなくて、インナーナットとアウターナットの2点締めになりますので。
タイヤを外す時、タイヤを支える専用工具などを使わないとネジ山をつぶしやすいです。
そして適切な清掃・給油です。
ワッシャとナットの間には給油。
ワッシャとホイールのあたり面には潤滑剤が付着しないようにすること。
一つ一つの動作をきちんとできているか?ここもポイントですよね。
ホイールがアルミとスチールで、使用ネジも変わってきます。この辺りはプロが見れば大丈夫かとは思います。
JIS規格よりISO規格の方がネジが緩みやすい理由
そもそもなんでISO規格に変わってからタイヤのネジが緩みやすのか?
実際緩みやすいと思います。それは日本の道路事情にも起因しています。
まずJIS規格の場合は助手席側のネジは全て逆ネジを採用しています。ISO規格は全て正ネジを採用。
そして日本の道路って左側通行ですよね?JIS規格だと左側面が逆ネジになっているため、進行方向で考えると、ネジは締め付けの方向へ力が働きます。
しかし、ISO規格だと左側面も正ネジの為、締め付けの方向へ力が働かない。
更に左カーブを曲がる時ってかなり小回りになります。諸外国のように右側通行だと左折時もそもそもそこまで小回りにならないけれど。
これがなおさらネジを緩みやすくしていると。
つまり日本でISO規格のネジっていうのは向いていないという事なんです。JIS規格のネジはよく考えられていました。
ただし、今はもうISO規格を採用しているので、緩みやすいのを念頭に使っていかないといけません。
タイヤ交換をした後に、ネジに位置をマーキングするとか、治具を使って緩んでいないかを確認するとか。
あとは運行前点検ですね。最終的にはドライバーさんがその都度点検をするしかなくなってくるので。タイヤ交換直後のトラブルは作業に起因するものです。
しかしある程度時間がたってきたものに関しては、作業というよりは経過をドライバーさんが管理していかないと駄目なので、お気を付けください。
こちらがその動画です。
この記事に貼り付けてある画像は、全てこちらの動画から出典させていただいております。
タイヤに関する脱落事故は重大事故になりますので、みんなで気を付けていきましょう。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。