最近ふと思いました。特にトヨタ車ですが、従来のカートリッジ型のオイルフィルターが増えてきたなと。
カートリッジ型のオイルフィルターはこのように、金属製のケースと一体型になっているオイルフィルターです。
交換は取り付け位置によっては比較的簡単です。
サイズの合ったカップレンチなどを使って回して外します。
ただ、一時カートリッジ型のオイルフィルターからエレメント交換式オイルフィルターに主流が移っていったんです。
エレメント交換式オイルフィルターは、オイルフィルターの濾紙部分のみを交換するタイプです。
最初これが出てきたときは、画期的だなと思いました。
ほぼろ紙だけの構成になっているので、燃えるごみとしても処理できました。
エレメント交換式オイルフィルターのメリットは
・価格が安い
・ごみの処理が簡単
この2つが挙げられます。デメリットとしては
・交換作業が複雑
この写真のは4JJ1というエンジンのエルフのものですが、普通のオイルフィルター交換とは違ってやりにくいです。
こちらはカートリッジ型のオイルフィルターを分解した図です。
エレメントはケースと一体型になっていて、中にバイパスバルブなども構成されます。
これらを毎回一緒に交換するのは、はっきり言うと無駄が多い。
極端な話ケースはまだ使えるし、バイパスバルブなども再利用は出来る。環境に与える負荷が問題視されてエレメント交換型に移行していったと思います。
日産のキャラバンで、エレメント交換型に変わった時は、今まで3000円位した大きなオイルフィルターが1000円台で買う事できたので、非常に画期的だなと感じました。
環境負荷などを踏まえて、多くの車が中身だけを交換するエレメント交換型に移っていったわけです。
しかし最近、特にトヨタ車の多くがカートリッジ型に戻してきています。こちらのM15Aもそうですね。
アクアやヤリス、シエンタに搭載されているエンジンです。
これはカローラクロスハイブリッド。同じくカートリッジ型です。
これはGR86のFA24です。カートリッジ型です。この車ほどオイルフィルター交換がしやすい車はないと思います。真上にあるという素敵なレイアウト。
推測するに、何故カートリッジタイプに戻ってきたか?
おそらく作業時のことを考えてではないかなと。エレメント交換型の中には、フィルターケースが樹脂のものがありました。
それらは、しばらく交換していないと取り外すのが非常に困難だったんです。
カートリッジタイプなら多少ケースが歪もうが、なんとか外すことはできます。エレメント交換型のオイルフィルターを採用していると、ケースの在庫をしていないと、無理やり外して割れてでもしたらその時点でエンジンがかけられなくなる。
僕はそういうトラブルに遭遇したことはないですが、多分そういうことなのかなと。
環境負荷も考えないといけないけれど、作業性も考えないといけない。それを天秤にかけた時、作業性を考えたのかなと。
であれば、今後はスペアタイヤも復活するかな?と淡い期待を持っていますが、多分それはないかもしれませんね。そもそも車体側にスペアタイヤを収納するスペースがない状態で設計されてきますから。
スペアタイヤを装備するのは商用車などだけになっていくのかな。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。