エンジンオイルの交換は、メンテナンスの初歩中の初歩であって、かなり重要なものです。エンジンという部品は車を構成する中で一番高いといっても過言ではないからです。
エンジンオイルを交換しないがために、高価なエンジンが壊れてしまったというのは目も当てられません。しかし、一定数そういう人もいるのも事実です。
オイル交換というと、自分である程度意識してお店にお願いする人は多いでしょう。ですが、いきなりお店に来て
「ミッションオイルを交換してください！」
といってくる人はほとんどいません。何故か？
車に乗っている人でオイルと名がつくものはエンジンオイルしかパッと思いつかない人が殆どだからです。
車検などで整備士サイドから提案をされないと、交換されない車もたくさんあります。
もし、エンジンオイル以外のオイルを交換したほうがいいというのは、どんな時なのか？
車を新車で買えれば一番ですが、中古車を乗り継いでいる人もいるでしょう。僕もずっと中古車を乗り継いでいます。
もし中古車を買ったなら、すべてのオイルを交換してほしいのです。
その理由は何故か？
きちんと点検整備記録簿が残っている車なら、整備歴がわかります。中にはいつどこで何を交換されているかまったく不明な車があります。
もしくは、整備記録簿が色薄くなって見えないものも見かけます。これだとどのくらい車が酷使されているかがわからない。
一度リセットの意味合いも込めてすべてのオイルを交換してあげる。
エンジンオイル、ミッションオイル、デフオイル、トランスファーオイル、ブレーキフルード、パワステフルード、クーラントや作動油など。
中古で買った整備歴のわからない車をリセットするという目的ですべてのオイル交換を実施してもらうのがいいです。もちろん汚れ具合でATFの交換ができないといわれることもあるかもしれません。
ATFはきちんとしたフィルター内蔵タイプを使えば、交換されていないものでも交換することが可能です。
中古車を買ったらリセットの意味も込めてオイルを全て交換してあげるということ。
日常使いをしていれば、指定交換の時期が来るまで交換する必要はありません。ですが、非日常で車に負荷をかけた使い方をしたら、すべてのオイル交換をするべきです。
今では車でサーキットを走る人は少なくなってきましたが、サーキットを走ると普通では考えられないほどの負担が車にかかります。
もちろん走る前には高性能なオイルに交換しておくということ。そして走り終わったら油温が上がったオイル類は性能劣化を起こすので交換してあげるということ。
これはエンジンオイルだけではなく、ミッションやデフ、ブレーキフルードくらいまでが該当します。
サーキット以外にもジムカーナやラリーなども同じです。スポーツ走行をした後は、それぞれのオイルの油温があがります。130度を超えてくるとオイルは急激に劣化するので、交換してあげる必要がでてきます。
僕が住んでいる地域は台風19号で相当の台数水没しました。室内のある一定の高さまで水没していると、全損扱いになります。
ですが保険も加入していない車は何とか使えるようにしないといけません。
室内まで水が及んでいなくても、ミッションやデフなどが水に浸かってしまっていれば、内部に水が入ってる可能性があります。
一度すべてのオイルを交換するべきです。
このように、今回は3つのケースを紹介しました。
一番身近に考えるのは、中古車を買ったときですね。特に5万キロを超えている中古車はすべてのオイルが交換時期に差し掛かっているので実践する価値はあります。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。