粘度が硬いオイル=油膜が厚くエンジン保護大!とは単純にならない理由

僕も昨年から乗っている新型のシエンタですが、ちょっと違う粘度のオイルも試してみようかなって思っています。

買ってから2回目のオイル交換を実施しました。

いずれも入れたオイルは、トヨタ純正の超低粘度オイル0W-8です。

ベースオイルの性能が上がっているとは言え、実はこれほどまでに超低粘度のオイルってあまり好きになれないです。

というのも、新型シエンタハイブリッドの場合だと、エンジンオイルとして使用できる粘度は

0W-8

0W-16

0W-20

5W-30

この4種類を指定されています。

粘度の硬さが随分と変わるわけですが、例えば真夏に0W-8を入れていたのと5W-30を入れていたのではその油膜が変わってきます。

もちろんこの場合は5W-30の方が、油膜が厚いです。

もし外気温が35度を超えるような真夏日の場合、0W-8を入れているよりも5W-30を入れている方がエンジンにとって油膜が厚くて保護されるよねって。

もちろん純正の0W-8はベースオイルの状態もいいものなので、それらも考慮されて指定されているとは思いますけど。

外気温が30度を超えると、5W-30でも流動性が高くなります。そのため、今度の真夏などは硬めのオイルを入れようかなと考えているんです。

指定粘度以上のオイルを入れると危険になることが

それじゃあ真夏に15W-50なんていう粘度のオイルをいれちゃおうか?

こういうのはNGです。近年のエンジンは、そもそもエンジンオイルが低粘度充填で設計されています。

そのため、指定されている以上の硬いオイルを入れると、逆に油膜切れになる可能性があるんです。

厚い油膜のはずが、油膜切れになるのはどういうことなのか?

エンジンオイルの潤滑メカニズムをみると、クランクシャフトから動力を得ているオイルポンプがエンジンオイルをオイルパンから吸い上げます。

オイルポンプから圧送されたオイルは、シリンダーヘッドからシリンダーなど必要な部位に循環されて、各部を潤滑されます。

潤滑が終わったオイルは再びオイルパンへ戻ってきて、再度オイルポンプで圧送されると。

この繰り返しです。

このオイルパンへ戻ってくる一連の流れは、いわゆる重力によるものです。

オイル自体の自重で一番下のオイルパンに戻ってきます。

硬い粘度のオイルを使うと、ここに問題が出ることがあります。

オイルが自重で戻ってくるまでに問題が出ます。硬いオイル=重いというわけではなく、細い油路に対して硬いオイルだと流動性が悪いです。

つまり、硬めのオイルの方がオイルパンに戻ってくるオイルの動きが遅くなる。

それをある程度の極限状態で再現するとどうなるか?一番厳しいのはサーキット走行などの急激なコーナーリングによる横G。

オイルパンバッフルプレートの形状などで、なおさらオイルの戻りが追いつかずに空気を吸ってしまい油圧が掛からなくなることが起こりえます。

一般道ではそこまでGがかかるようなシチュエーションはないでしょうけど、構造上そういうことが起こるということです。

高速道路や急激な勾配などで、オイルのリターンが追いつかないと、焼きつきにつながるわけです。

メーカーが指定している粘度であれば、街乗りで使う分にはこの限りではないですが、それ以上のものを使用すると、それなりの不具合が発生する可能性があるので辞めた方がいいのです。

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