年の瀬になり、サンデーメカニックの皆さんは今年最後に愛車のエンジンオイルを交換してしめよう!と思ってる人も居るかと思います。
乗りなれた愛車のオイル交換なんかお手の物!いや、自分はこれだけこだわってやっているなど、さまざまでしょう。
今日は、DIY派にはおなじみオイル交換について、改めて手順とポイントを書いてみます。
目次
オイルを抜く前に、ゲージを抜いてオイルの量や状態を確認する
さあ、オイル交換をするぞっていう時にいきなりドレンボルトからオイルを抜いてしまう人って多いと思います。
実際に整備士になりたての新人君も、やりがちなこと。
オイル交換っていう作業は単純にオイルを抜いて入れればいいと思ってませんか?確かに作業としては古いオイルを抜いて新しいオイルを入れるということで間違ってません。
しかし、オイル交換の作業で車のエンジンの状態を推し量ることが可能です。
まずはオイルを抜く前に、レベルゲージを抜いて現状のオイルを確認します。
古いオイルを確認するポイントは3つ。
・オイルの量
・オイルの臭い
・オイルをティッシュなどにしみ込ませて汚れの状態
それぞれ説明すると、まずは何はなくとも量です。もちろん前回のオイル交換時にちゃんとレベルゲージのFULLにぴったり合わせておく必要がありますが、どの程度オイルが減っているのか?
エンジンによってはかなり減るものもあります。オイル消費が何キロ走った時点でどの程度減るのかを読み取っておきましょう。
そして臭い。これはガソリン臭いなどが混じってないか?燃料希釈が起きていれば、オイルは粘度を適正に保てなくなります。ガソリン臭くなっているという事は、燃料が濃かったり他の問題をかかえてる可能性があります。
最後に、汚れや粘度の状態を確認。白いティッシュなどにオイルをしみ込ませるとわかりやすいです。
オイルを抜く前にここまでの情報を読み取っておきましょう。
ドレンボルトを抜く前に、エンジンをかけてオイルを暖めておく
いざオイルを抜こうっていう時に、真冬に作業をするとオイルが硬くて全然抜けきらない・・。
これは下抜きだろうが上抜きだろうが同じです。
オイルレベルゲージを抜いて、エンジンオイルの状態を確認したら一旦エンジンを始動して暖めます。
ガッツリとエンジンを暖機してしまうと、今度は作業時にやけどをしてしまうので気を付けてください。
僕はエンジンをかけながら道具やジャッキなどを用意しています。
下抜きならドレンボルトの角度によってはジャッキダウンを!
車を安全にジャッキアップして、ドレンボルトにアクセスができるようになったら、ドレンボルトの角度を見てみましょう。
もし、車が持ち上がってる方向とドレンボルトの方向が同じだとオイルが抜けきりません。
僕も昔下抜きをやっていた時は、ドレンボルトを抜いた後、車をジャッキダウンしてしばらく待ちました。
こうすることによってより多くのオイルを排出できるからです。
ちなみに僕自身ずーっと下抜きでオイル交換をしてきましたが、今乗ってる車で上抜きを試してみると、上抜きの方が抜けたんです。
それ以来、ずっとオイル交換は上抜きをしています。
オイルフィルターを交換しなければジャッキアップすら不要で、とても安全お手軽に作業ができるのでおすすめできます。
ドレンパッキンはケチらずに必ず交換を!交換前に座面を奇麗にすること
せっかくオイル交換をしたとしても、ドレンボルトのパッキンを交換しない人がたくさんいます。
オイルと一緒にパッキンを買ってくるのを忘れちゃったということで、再利用する人がいるかと思いますが、これももったいない。
パッキンを交換しないと8割くらいオイルが漏れてきます。
そして、ただパッキンを交換するだけではオイルが漏れてきちゃう車もあります。
重要なのはドレンボルトとオイルパンの座面。パッキンのあたり面をきちんと奇麗にしてから新品のパッキンをつけること。
たまに紙のようなパッキンがありますが、あれは奇麗にはがさないと漏れてきます。
パッキンを交換しても100%漏れないという保証もないという事を覚えておいてください。
オイルはゆっくりと少しずつ入れすぎない事
新油をエンジンに注ぐとき、ゆっくりと少しずつ入れてください。
というのも、エンジンによってはレベルゲージを抜いた状態で入れるように指示されていたり、逆にレベルゲージは抜かないで入れるように指示されているものもあります。
この手のエンジンはゆっくりオイルを入れないとすぐに吹き返してきます。
そして、中古車を買ったばかりでエンジン内部がどうなってるかわからない車なども要注意。
オイル交換をさぼっていてスラッジが堆積していると、オイルののみ込みが異様に遅い車もあります。
ヘッドカバー内部で詰まっているからです。
オイルはゆっくりと少しずついれて、量は入れすぎないこと。
オイル交換後はしばらくエンジンをかけて、漏れを確認しながらリセット作業をする
オイル交換が終わったら、しばらくエンジンをかけてみましょう。
特にオイルフィルターも一緒に交換した場合は、エンジンをかけたあとに漏れてくる可能性もあるので、ここは重要です。
そしてオイルのリセット作業が必要な車の場合は、リセットを忘れないようにしてください。
整備士も慣れてくるとオイルを入れたらすぐにリフトから出そうとする人がいます。
僕は新油を注いだ後、エンジンをかけながらオイルステッカーを書いています。
その間各部からの漏れを確認しています。そして最後にレベルを再チェックする。
たかがオイル交換ですが、ざっとポイントだけでもこの位はあります。もっと突き詰めていくと気にしたいことがたくさんありますが、まずはこの位から始めましょう。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。