エンジンオイルの交換をあんまりしてこなかったお客さんが、オイル警告灯が点灯した。ということで相談にきたんです。走行距離11万キロオーバーのダイハツムーブ。丸目4灯のL900系です。
外部へオイルが漏れている形跡はさほどなく、その大半が燃えてしまっている状態です。修理するには最低でもヘッドを剥がす必要があるわけで、そこまでお金をかけるのもなあ・・。
そんなこんなで、現状どの程度のオイルをくっているのかをはかってみようということになりました。
このムーブのオイルは2、3リットル。前回オイル交換をしてからちょうど3000kmでの入庫。前回のオイル交換時にピッタリとレベルゲージのFULLにあわせてあります。
このように、オイルを古くなって使わなくなったジョッキで受ける。これで2、3リッター入っていた筈のオイルがどの程度減っているかがわかります。
しばらく放置。
結果から見ると500ccでした。2、3リッターが500ccまで減ってしまった。実に1、8リッターもなくなってしまった。前回オイル交換してから3000km時点でオイルが1、8リッターの消費です。
車によっては走行距離1000kmの間に1リッターを消費することがあると記載されている車もあったような気がするので、それに照らし合わせるとさほど異常ではないとも言い切れちゃうことになりますが、異常です。現在のエンジンはほとんどといっていいほどオイルは消費しないので、明らかにオイル下がり、もしくはオイル上がりを起こしているということになります。
こうなったらどうすればいいか?もうオーナーが気をつけるしかないと言えます。ある程度距離を走ったらオイルレベルゲージを引っこ抜いて量を確認する。著しく減っていたら補充する。それが嫌なら、オイル交換のタイミングを早くするということです。
中は真っ黒です。焼き付きこそないけれど、これでもまともに走っている。日本車は丈夫ですね。
オイルは3000km走っただけとは思えないほど真っ黒ですね。エンジンの中がスラッジだらけなんでしょう。こういう車に無理矢理フラッシングオイルを使ったりするのは良くない。余計にオイル消費が増えることがありますから。
オイル交換をした時にきちんとゲージのFULLにピッタリと合わせて、走行500km経過ずつにゲージを抜いて量をはかっていく。それで、2000km走行時に量が半分くらいに減ってしまっていたら、オイルを補充する方がいいんじゃないですかね?さすがに2000kmごとにオイル交換をするというと経済的ではなくなってくるので、ある程度の距離までは補充していったほうがいいと思うんですよね。
そこれそ走行1000kmでオイル交換なんてやっていたら、オイル交換代だけでかなりの金額になってしまいます。オイル交換をした時に、1リットルのオイル缶にでもオイルを1リットル余分にお店にもらっておけば補充だけなら家でも簡単にできますからね。
オイルシールの劣化をあるていど戻す添加剤を使うのも多少は効果があると思います。この場合はバルブステムシールの硬化を添加剤で戻してやればオイル消費が少しは減るかもしれません。
オイル消費量についてでした。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。