これは、うちの会社で実際にあったクレームです。
前も記事にしましたが、オイル交換をしたら燃費ガクンと落ちたという話です。
具体的な車種はその時は伏せておきましたが、CR-Zです。
(写真はCR-Zのエンジンではありません)
お客さんとしては、オイル交換をしてから燃費が悪くなったという事に不満を持っているようで、作業した整備士に話を聞いたんです。
その時に充填したオイルは、特にお客さんの指定がなかったのでSNグレードの部分合成油。5W-30をいれたという。
CR-Zには省燃費用の0W-20のオイルを使用することが可能で、お客さんは変なオイルを入れられたから燃費が落ちたと。
これを受けて、早急にクレーム処理をしました。
オイルって見た目ではわかりにくいので、お客さんの見ている前で新品のオイル缶を開けて、0W-20に入れ替えました。
CR-Zに使用可能な省燃費オイルに入れ替えたので、お客さんも納得して終わった件です。
しかし、よく考えてほしいんです。
ではここからが本題です。
お客さんは、0W-20のオイルを入れていたのに、5W-30に交換されたから燃費が悪くなった!と認識しています。
そもそもその前に入っていたオイルが0W-20なのか確認の使用がないですけど。
それでは、、5W-30からクレームで0W-20に入れ替えた後、燃費は元に戻ったのか?と、営業マンを通して確認してもらったところ
「元に戻った」
とおっしゃっています。
それは車の燃費計での計測なのか、満タン給油法での計測なのか定かじゃないですが、元に戻ったから一件落着だね!
と、表向きは解決しました。
しかし、僕はこの原因は他にあると考えています。というのも、オイル交換を実施した後の気温が、真夏日続出で、エアコンを多用していたはずだと。
そして僕自身の経験則で話すと、
オイルを低粘度にしたとして、劇的に燃費が良くなるかというとそうではないという事です。
もう何種類というオイルを入れて、毎回燃費計測をしているのでデータは相当持っています。これは断言できますね。
省燃費オイルを入れたとして、体感できるほど燃費が良くなるかというとそうではない。と。
巷では、オイルを低粘度に換えたら燃費が1km、2kmも延びました!という投稿を多く見かけます。
でも僕はこれを信用しません。何故ならば僕自身がいろんな粘度のオイルを試して、毎回燃費計測をしているデータを見ると、低粘度オイルに交換してもさほど燃費に影響は出ないからです。
少なくとも僕が歴代乗ってきた車全てにおいてそれが言えました。
家族の車も使ってデータを取っていますけど。5W-30から0W-20に換えた位じゃ誤差の範囲ですね。それよりもエアコンを使う時間が長かったり、アイドリングや暖機の時間が長かったりすると、著しく燃費が悪くなります。
今度試してみようと思うのは、0W-8という超低粘度オイル搭載車に5W-30をいれたらどの程度燃費に影響がでるのか?
恐らくここまで粘度に変化があると、燃費にもある程度差が出てくるかなと。
それを試す機会が近々来る予定なんです。
多分僕のことを疑ってる人もたくさんいると思います。
ただ、僕は嘘をついてるわけじゃなくて、整備の現場で人よりオイル交換をする機会も多いし、車に乗る機会も多いです。
人より多い経験則で物事を語っているだけです。ちなみに乗ってるバイクにもオイルをいろいろと試してみました。
10W-30、10W-40、0W-30
今は0W-30を入れていますが、バイクに関しても同じですね。ものすごく燃費に影響が出るかというと、そうでもないです。
未だリッター60kmを超えたことはないですし。バイクでのリッター1kmとかももはや誤差の範囲ですね。
最終的に何が言いたいのかというと、低粘度の省燃費オイルを入れたら燃費が良くなるはずだ!と過度な期待をして高価なオイルを入れても、それに見合うリターンが得られない可能性がありますということです。
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ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。