技術の進化っていうのはすごいもので、車は毎年のように最新技術を搭載しています。ふと振り返ってみると、ホンダが作った初代NSX。
オールアルミで、当時のフェラーリなどスーパースポーツでガチンコ勝負を挑んでいたスポーツカーです。当時で1000万円くらいした、国産でスーパースポーツという地位を築き上げた車です。
写真はRX-7ですが、初代NSXのタイヤサイズって、フロントが205/50R15。リヤは225/50R16です。
ミッドシップレイアウトなので、リヤタイヤのほうが太いんです。同じホンダ車で、現在販売されている軽自動車スポーツカーであるS660はどうか?
S660はフロントタイヤが165/55R15。リヤタイヤが195/45R16です。インチだけで比較するのはいささか軽率ですが、1000万クラスのスーパースポーツと軽自動車のスポーツカーのタイヤサイズが同じインチにまで及んでいるということが驚きです。
初代NSXは1990年に発売されていますので、今から30年前にも及びます。
初代NSXの純正してオイルを調べてみると2種類出てきます。
ウルトラLTD SG 10W-30とウルトラGX SF 10W-30。10W-30という粘度がまた時代を感じさせてくれますが、グレードが凄い。SGとSFです。
それからオイルはどの位進化したんだろうって思います。今やSN Plusです。粘度に至っては0W-8なんて言う低粘度も出てきています。
30年前の車に、今のエンジンオイルを入れても大丈夫なのか?というのが今日の主題です。
オイルは進化していますし車もエンジンも相当進化をしています。30年前の車に、現代の低粘度オイルをいれたら、いろんな問題が発生してくることが考えられます。
30年前の車に今のオイルをいれるのであれば、最低でも粘度は合わせるかそれよりもワイドレンジのものをチョイスすること。その際、低温側の番手は純正指定よりも下げない方が無難です。
SFの10W-30指定の車に、SNの10W-40というようなチョイスをする。5W-40も使えなくないですが、低粘度側の数字が下がってくるのであまりお勧めできません。
1980年代以前の車になってくると、エンジンの各種パッキンも素材がかわっています。これだけ古い車になると、当時のオイルを使わないと問題がでてきます。
一番はオイルシールの素材が違っているという事。旧車に属するほど古い車になると、今の化学合成油や部分合成油を使うと、オイルシールに悪影響を与えてオイルが漏れることが懸念されます。
当時の車には当時の鉱物油ベースのオイルを使うということが重要になります。
ポルシェなどはクラッシックポルシェ専用のエンジンオイルを今でも販売しています。最新のオイルを入れるのではなく、クラシックポルシェにはクラシックポルシェ用のオイルを使う。
ヘッドカバーのパッキンにコルクを使ってる車種もありました。締めすぎはコルクが割れるのですぐに漏れてしまいます。
ちょっと古くなってきた車に、最新のエンジンオイルを使いたいという場合は10年くらいで区切ってみるのがいいと思います。
新車当時から10年後に販売されている最新のオイルであれば、ほぼ使えると思います。20年経過してくると、ちょっと変わってきます。
30年を超えてくると、かなり変化してきているので最新オイルを使うのは慎重になるべきです。最新のオイルであっても、旧車用に作らている最新オイルなら問題はありません。
この先10年、20年と経過していくとエンジンはほぼなくなっているかもしれません。オイル交換なんて昔の車にしか必要ないよって。
そんな時代がもうすぐそこまで来ています。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。