エンジンオイルの油圧警告灯が点灯したら、エンジンは終わっている・・・。巷でささやかれている噂は本当なのか?
魔法のランプみたいな形をした赤い警告灯があります。オイル警告灯とか油圧警告灯などと呼ばれている警告ランプになります。
このランプが点灯したら、エンジンはすでに終わっている・・・。一昔前のカー雑誌にはそのように書かれていたのを覚えています。
その噂は本当なのか?そもそも油圧警告灯とは何故点灯するのか?
目次
油圧警告灯が点灯する理由は?
油圧警告灯・オイル警告灯が点灯する原因はそもそも何なのか?
考えられる原因は3つあります。
・オイルの量が少なくなっている
・オイルの油圧が上がらない
・油圧を検知しているスイッチが不良を起こしている
最初の二つはオイルにまつわる原因です。例えばエンジンオイルの量が3リットルの車に対して、エンジンに入っているオイルが1リットルを切った場合、油圧警告灯が点灯する。
オイルの量があまりにも少ないと、油圧が上がらずにランプが点灯します。よくいるのが走行中にうっすらとオイル警告ランプが点灯したり消えたりするというもの。
これは走行中のGで、少なくなったオイルを吸い出せないがために起こる現象です。
そして、エンジンオイルの油圧がそもそも上がらない場合。これもランプが点灯します。油圧が上がらない原因は、スラッジが堆積したエンジン。
オイルストレーナーにスラッジが堆積していると、オイルを吸い出せなくなって油圧が上がらなくなります。
丸い網状のものがオイルストレーナーです。オイルパンに溜まったオイルをここから吸い出します。エンジン内部にスラッジが堆積していると、うまく吸い出せないことがあります。
そうなった場合、オイルパンをはがして内部を掃除したり、ストレーナーも奇麗にしないと駄目です。
最後の理由がオイルプレッシャースイッチの不良です。
オイルプレッシャースイッチはシリンダーブロックにネジ止めされています。ブロックからオイルが流れ出てきて、その圧力でスイッチングしている部品です。
既定の油圧に達していないと警告ランプを点灯させるスイッチになります。
このオイルプレッシャースイッチがよく壊れます。オイルが漏れ出してきたり、内部が駄目になっていたり。
部品が駄目になっていると交換すれば治ります。
これはオイルにまつわる原因ではないので、エンジンが深刻な状態にはなっていません。
オイルランプが点灯したらエンジンは駄目になってるのか?
では巷でささやかれている
「オイルランプが点灯したら、エンジンはすでに終わっている説」
は本当なのか?
結果を書くと、嘘になります。ただしちょっとした補足があります。
まず、街乗りでオイルランプが点灯したからエンジンが終了しているというのは、嘘になります。うちのお客さんでもツワモノが2人いて、その人はオイル交換の時期をオイルランプが点灯したら来店するという人。
スズキのエブリィと三菱のミニキャブVです。それぞれ入庫してレベルゲージを抜いてみるとオイルはついてきません。
それではとオイルパンからオイルがどの程度出てくるかなと確認するとびっくり。ミニキャブVは一滴たりとも出てこないのです。これは本当の実話です。今でもその車は実働しています。
まず、オイルが喰っているということ。3000km走るまでにはオイルがなくなってしまっています。相当なオイル下がりやオイル上がりの状態です。
それでもオイルを入れると普通に動いてしまう。この2台を見ているとエンジン内部は確実に劣化しているものの、オイルを入れて使えるわけなので終わっているというのは大げさな表現になるのかなと。
一番ヤバいのがサーキット走行などをしていて、相当なGがかかった時に油圧警告灯が点灯してエンジンから異音が発生したなどの場合。
おそらく雑誌でエンジンが終了しているというのは、こういうシチュエーションのものを言っているんだと思います。
街乗りだとオイルランプが点灯したからと言って、すぐにエンジンが停止するようなことがあるかというと、そうでもなく動いている車もあるのです。
オイルランプが点灯したらどうするか?
もしオイルランプが走行中に点灯したらどうするか?
取りあえず車を安全な場所に停止して、エンジンを止めましょう。そして、エンジンルームのオイルレベルゲージを抜いて、オイルが付いてくるかを確認してください。
もしオイルが付いてくるのであれば、オイルプレッシャースイッチの不良が濃厚になります。オイルが入っていて色が著しく汚れてなければ、しばらく走っても問題ないかと思います。
レベルゲージを抜いてオイルが付いてこなかったら、最寄りのスタンドなどでオイルを入れてもらいましょう。
一番ヤバいのが、オイルもついてこないしエンジンがガラガラ言ってるような状態の場合。こうなってしまうといつ止まってしまうかわからないので、車屋さんに相談するのが一番いいかと思います。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。