エンジンが不調になるということで入庫したヴォクシー。アイドリングが不安定になったり、止まりそうになったりするということです。
エンジンチェックランプが点灯していたので、コードを読み取ってみたら以下のコードが過去コードで残っていました。
P1605 アイドル不安定
この車には可変バルブタイミング機構が搭載されています。
油圧でソレノイドバルブを駆動させて、カムシャフトの位相を変える仕組みです。
目次
オイル管理が悪いとVVT機構が機能しなくなる
このヴォクシーに限ったことではないのですが、可変バルブタイミング機構を備えているエンジンってエンジンオイルの管理がとても重要です。
メンテナンスノートを見るとNAエンジンなので、最長15000kmまで無交換で使ってしまうケースもあります。
以前も経験ありましたが、オイル管理をこまめにしていない車両でバルブタイミング機構のコードが出ていました。
その車は、負荷をかけるとノッキングを起こしたりと症状の再現がしやすかったです。
点検をしていくと、VVTソレノイドバルブのプランジャーがスムーズに動かない。
原因はオイル管理の不備です。ソレノイドバルブのプランジャー内にもスラッジが堆積していて、それがスムーズに油路を切り替えることができない原因となっていました。
ソレノイドバルブの油路は、ターボの油路と違ってそんなに小さくないものの、プランジャーのクリアランスはやっぱり狭いです。
通路にスラッジが堆積すると、必要な負荷をかけたときにVVTが切り替わらないで不調を起こします。
オイルが殆ど入っていなかったヴォクシー
ヴォクシーも、レベルゲージを抜いてみるとオイルが全くついてこない・・・。
最後にオイルを交換したのがなんと2年前。そこから約2万キロ近く走行されていました。とりあえず一度オイルを交換。通常のオイルでしばらくテスト走行を繰り返して、再びエンジンオイルとフィルターを交換しました。
エンジンオイルによるフラッシングを行って、症状が出ないことを確認してご返却。即効性のフラッシング剤を使うと余計にソレノイドバルブにゴミが詰まるかもしれないので。
ターボ車並みとは言わないけど、こまめにオイル交換を!
ターボ車は、NAエンジンよりも発熱量が高くて、オイルに負担がかかります。さらにターボのオイル供給穴がとても小さいので、オイル交換をこまめにしないといけません。
NAエンジンはターボエンジンほど気を使わなくてもいいんですが、今回のような可変バルブタイミング機構をもってるものは早めに交換したほうがいいです。
といっても、今では軽自動車でも普通に採用している機構なので。スラッジをエンジン内部にためてしまうことは命取りになるので、しばらくオイル交換をしてないなぁと思ったら、早めに交換をしてください。
スラッジになる前なら、安いエンジンオイルで交換して、1000km位走ってからもう一度交換。その時はちゃんとしたお気に入りのオイルを入れると、優しくフラッシングができるのでお勧めです。
昔自分の車のオイル交換はいつもそうしていました。
4リットル1000円程度のオイルを入れて、100km位走ったら100%化学合成油を入れる。もちろんちゃんとした距離と時期でオイルを交換すれば、フラッシングが必要になるなんてことはないんですけどね。
素性のわからない中古車などは、遅効性のフラッシング剤がお勧めです。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。