ここの所、各自動車メーカーからかわるがわる同じ注意喚起がリリースされています。一番新しいのではスズキから。
スズキに関して言うと、同じ内容の注意喚起が過去にも出されています。なのに、繰り返し同じ注意をする意味はなんなのか?
まずはこちらをご覧ください。
こちらは走行中にエンジンがエンジンが内部から割れてしまった車です。偶然にも注意喚起を出しているスズキのK6Aというエンジンです。
走行中にエンジンが割れるというのは、普通では考えつかない現象ですが、実際に起こっています。そしてこれこそが自動車メーカーが一番注意喚起を出している事なんです。
エンジンオイルって、エンジンの摺動部や回転部などを潤滑するものです。
オイル交換を怠っていると、奇麗なエンジンにこのようなスラッジが発生します。
スラッジがオイルがたまっているオイルパンにまで堆積してくると、正常にオイルを吸い上げることができなくなり、オイルが不足状態になりエンジンが焼き付きます。
焼き付いたエンジンは各部が摩耗して打音を発生。そのまま使い続けると、高速で回転しているエンジンからロッドが折れてエンジン内部から突き破ってくる。
こちらの車はエブリィでした。そこまでスラッジが堆積してないものの、走行中にコンロッドがエンジンを突き破ってしまっています。
エンジンが回転中に内部からコンロッドが突き破るとどうなるか?
廻り全体がオイルまみれになります。そして、高温のマフラーにオイルが付着すると車が車両火災になる。
自動車メーカーが一番注意しているのはここにあります。
ここで疑問なのは、エンジンオイルの交換について。
昔に比べてロングライフ化されたイメージがあり、オイル交換をしない人がたまにいます。エンジンオイルはロングライフ化されているから、昔のように頻繁に交換しなくてもいいだろう!
というイメージがついたのは、これまた自動車メーカーのオイル交換時期が伸びたためだと思います。
実際には自動車メーカーのオイル交換時期を守っていたとしても、エンジンから打音が発生する車もあります。これはエンジンの当たり外れがあるのかもしれませんし、他の要因がかさなっているのかもしれませんけど。
オイル交換ももちろんですが、オイルの量もチェックしない人も増えています。特にオイルが消費するエンジンではレベルチェックは必須です。
1000kmで1リットル減るのは異常ではないと記載している自動車メーカーもあるくらいです。
車の車両火災の原因でオイルメンテナンスの不備というものは、大多数を占めています。なので何度も何度も自動車メーカーが注意喚起しているということを、車を使う使用者はちゃんと認識することが重要です。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。