昔の整備情報をペラペラとめくっていたら、そういえばこんな改善対策もあったよなと。改めて紹介してみたいと思います。
それはオイルフィルターでターボが駄目になってしまう可能性があるというものです。
どのような内容だったか?
まず対象車。
SH型の2.2リッターエンジン
搭載車がCX-5、アテンザ、アクセラ
S5型の1,5リッターエンジン
搭載車デミオ
どのようなことが起きるのか?
ディーゼルエンジン用のオイルフィルターにおいて、リリーフバルブの開弁圧が不適切なため、エンジン内部で発生する金属粉がオイルフィルターで捕捉されないことがあります。そのため、バキュームポンプに金属粉が侵入し軸が摩耗した場合、負圧生成能力が低下し、エンジン低回転時にブレーキペダルを短時間に複数回踏むと、一時的にブレーキアシスト力が低下するおそれがあります。また、ターボチャージャーに金属粉が侵入し軸が摩耗した場合、加速力の低下及び異音が発生するおそれがあります。(改善対策より)
マツダHPより引用
対策する内容はこのようになっていました。
(1) 全車両、エンジンオイルをフラッシングし、オイルフィルターを対策品に交換するとともにエンジンフードに純正外のオイルフィルターを使用しない旨の注意ラベルを貼ります。
(2) エンジン内部での金属粉の発生を抑制するため、燃焼改善プログラムが入っていない車両は、エンジン制御コンピュータのプログラムを書き換えます。
(3) 全車両、バキュームポンプを点検し、負圧生成能力の低下が認められるものは、バキュームポンプを新品に交換します。但し、部品の準備に時間を要すため、負圧生成能力の低下が軽微なものは、部品の準備が整い次第、後日、交換します。
(4) 全車両、ターボチャージャーを点検し、加速不良及びターボチャージャーからの異音等の異常が認められるものは、ターボチャージャーを新品に交換します。マツダHPより引用
簡単にまとめると、純正の対策品になったオイルフィルター以外使っては駄目だということでした。
こちらが改良されたオイルフィルター。
変更前 SHY1-14-302
変更後 SH01-14-302A
品番が変わっています。
今ほとんどこの改善対策は処置がされていると思います。ここで注目なのは、たかがオイルフィルター一つでターボが壊れてしまうという事です。
オイルフィルターの濾紙は品質がバラバラ
カートリッジタイプのオイルフィルターって、ぶっちゃけた話中身が分かりません。
ろ紙が入ってるわけですが、分解してみるとその品質がバラバラなんです。
これなんか結構分厚いろ紙を使っていてちゃんとゴミをキャッチしてますよね?
一方こちらのフィルターの濾紙は向こう側が透けて見えるほど薄い。これだとどこまで異物をキャッチできるかって、微妙です。
毎回オイル交換と同時にオイルフィルターを換える人ならまだいいかもしれません。
メーカーのいうようにオイル交換2回に1回でフィルターを換える人は、その品質にもこだわったほうがいいです。
こういう事例もあります。
エンジンをOHして間もなくエンジンブローをした人が、エンジンを分解したら、0.5mmほどの異物が原因だったのがわかった。もし、エンジンをOHした時に0.4mmの異物までキャッチできる高性能フィルターを付けておけば、エンジンは壊れなかったと。
オイルフィルターって、一番の役割は異物をちゃんとキャッチすることです。それができないと意味がないわけですね。
オイルフィルターって、いろんな製品が出ていますが、基本は純正。それ以外を使うのなら性能がきちんと担保されている商品を使う事が重要になってきます。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。