今日はオイルフィルターにまつわる疑問を考えてみます。オイルフィルターというのは、人間でいうところの腎臓の役割をしています。
オイルが血液だとすると、血液をろ過するのが腎臓。車に置き換えると腎臓はオイルフィルターに該当します。
オイルフィルターはオイル交換2回に1回の頻度で交換指定されている部品です。
きちんとオイルフィルターの交換時期を守ってる人も居れば、そうでない人も居ると思います。
オイル交換2回に1回の交換でいいというのであれば、例えば1000kmごとにオイルを交換している人はどうなるのか?
中には車がとても大好きで、毎回オイルフィルターもオイルと同時交換している人もいます。
実際のところはどうなのか?
うちのお客さんの中に、ものすごくこまめにオイル交換をする人がいます。長くても2000km。短いときなんか1500km位で交換に来店されます。
車は軽自動車のNAエンジン。軽自動車ターボのシビアコンディションですら2500km交換なのを考えると、交換スパンはとても早いです。
こういう人の場合、やはり2回に1回ずつオイルフィルターを交換しないといけないのか?
答えは難しく、おそらくオイルフィルター自体はまだ使えるものの、やはり交換したほうがいいと思います。
と、いうのもオイルを頻繁に交換していて、汚れていなくても内部の鉄粉などをフィルターがキャッチしているからです。
オイルフィルターを分解したことが何度かありますが、汚れだけでは判断できかねない時があります。フィルターのろ紙を広げてみると、スラッジなどの他に鉄粉や金属片などがはいってることもあります。
走行距離が短くて交換を繰り返している人であっても、オイルフィルターはオイル交換2回に1回を守ったほうがいいと思います。
DIYでオイルフィルターを交換したことがある人はわかると思いますが、オイルフィルターって車から取り外すと中からオイルがダーッと出てくることが殆どです。
エンジン上部についてる車などはそれほど出てこないものもありますが、8割以上の車はフィルターを外した瞬間にオイルがあふれてきます。
乗用車であれば、フィルターの中に0.2リットルほど入っているようです。トラックなどの大きなオイルフィルターになると、なんとフィルターの中に1リットルもオイルが残ってます。
オイルフィルターを交換しないでオイルのみ交換すると、新油に古いオイルが混ざりこんでしまいます。
これが新油の性能を約15%ほどダウンさせてしまうんです。ソースは1級整備士の教科書なので、間違いはありません。
せっかくオイル交換をしても新油の性能がダウンしたところからスタートする・・・となるとオイルとフィルターは毎回同時交換がいいんじゃないかって思ってしまいます。
僕は去年オイルフィルターを3種類分解して中身を検証してみました。
純正のフィルター・純正推奨の社外品・格安。
純正推奨の社外というのは、日産でいうとピットワーク、トヨタでいうとドライブジョイ、ホンダはHAMPという具合で、自動車メーカーが推奨している社外品です。
そして、純粋にネットで一番単価の安い格安フィルター。
金額と、中身を見比べてみてどれが一番お勧めだったか?
結果はどうだったかというと、純正推奨の社外品が一番お勧めできる内容でした。
純正のろ紙。
純正推奨の社外部品。
格安。
格安のフィルターは向こう側が透けて見えます。純正のオイルフィルターに対して純正推奨の社外品は2割程度安く手に入ります。格安は純正の半値以下で買えますけど。
純正オイルフィルターが格安で買えるのであれば、純正を一押しです。もし安く手に入らない場合、ピットワークやドライブジョイ、HAMPなどの製品がお勧めです。
ということで、一番車にとっていいのはオイルとオイルフィルターは常に同時交換をするという事。
使うオイルフィルターは純正推奨の社外もしくは純正が一番安心となります。
ただし、格安フィルターもちゃんと機能は果たしてくれています。僕はネットで10個単位で買ってしまったので、毎回オイルと格安フィルターを同時に交換しています。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。