お客さんがオイル交換に来店されて、作業が終わって一言
「高いっ」
自分がイメージしている金額と違うとついつい本音が出てしまうようです。店頭にPOPは貼ってあったりするので、ある程度の金額は予想してもらってるはずですが。
エンジンオイルの交換って、基本的なメンテナンスながら、金額としては一体全体どの位が妥当なのか?
それを改めて考えてみたいと思います。
僕も散々といろんなオイルを試したり、実験もしたりしました。
そこで一つ言えるのは、安いオイルを仮に入れたとあっても、特に問題なく日常的には使えるという事です。
どういうことかというと、近所のホームセンターをハシゴして、一番安く買えるオイルを買ってきたんです。そのオイルを使って、いつもより長い距離を走らせてみた。
結果どうだったかというと、普通としか表現ができないほど普通です。
世の中には高いオイルも存在するし、安いオイルも存在する。違いはもちろんあります。
ベースになるオイルが鉱物油とか全合成油とか、グレードや粘度でも金額は変わります。しかしながら普段の街乗りで使うということならば、安いオイルでもなんら問題ないというのも事実です。
つまり、高いオイルを入れればもちろんエンジンを保護してくれる。しかし、街乗りレベルなら安いオイルの性能でもカバーできてしまうという事になります。
負荷が強いサーキットランなどをすると話は変わってきますけどね。
僕がプライベートで使ってるオイルはこちらです。
20Lで5000円くらいで買いました。部分合成油の5W-30。グレードはSN。家の車どちらにも適合します。単純にリッターで計算すると250円ですね。
整備工場などでは20Lではなくて200Lのドラム缶オイルを使っています。もちろん量販店のように、多数ラインナップしているところもありますけど。
ドラム缶オイルの仕入れが4万円弱なので、リッター200円程度が原価になります。
ここにパッキン代と廃油処理代。更には整備士の工賃。
軽自動車なら3Lほど使うし、普通車なら4L。中にはアンダーカバーを外したりしないと交換ができない車種もあり手間もかかります。
オイルの原価で計算すると、1000円くらいはかかってくるという事ですね。もちろん商売なので、工賃などを含めて計算しないと成り立ちません。
うちの工場だと軽自動車で3000円弱。普通車で5000円弱頂いています。
これが妥当かどうか?原価から計算すると利益が2000円位ですね。工賃を考えるとこの辺りが妥当かなとは作業する側からすると感じます。
何度か書いたことがありますけど、街中で見かける
「エンジンオイル1台1000円!」
という強烈なキャンペーン。これってどうなの?と聞かれると、超お勧めします。
オイルの原価などは先に話した通りですが、それらを踏まえても1000円でオイル交換となれば、ほぼ原価で出しているようなものです。
何が目的かというと、そのお店自体をアピール。知ってもらうための販促ツールとしての作業です。工場側のメリットはそれしかないですからね。
街中で1000円オイル交換を見つけたら、お買い得です。ただし最近の車はアルミのオイルパンを使っていたりして、作業者によってはネジ山をつぶすこともあります。
そんな時、いろいろなお店でオイル交換をしていると、
「これは前からこうなっていましたね」
とかって責任逃れされる可能性もあります。できれば一貫して同じお店で作業をしてもらうと、何かあった時にクレームを入れやすいです。
オイル交換の妥当な金額としては軽自動車で3000円~。普通車で4000円~位だと思います。これより安いものは、頑張ってると言えますね。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。