エンジンオイルの交換ですが、上抜きと下抜きがあります。上抜きはオイルレベルゲージが刺さっている部分からオイルチェンジャーで真空状態にして抜き取ります。
下抜きは従来のオイル交換方法。オイルパンドレンボルトを外してオイルを排出します。
どちらも一長一短ありますが、基本は下抜きでほとんどの車は作られています。外車などでドレンボルトがない車種もあり、そういった車は上抜きでしかオイル交換ができません。
逆に、オイルレベルゲージを廃止している車もあるので、上抜きができない車もあります。
先に結論を書いておくとこうなります。
上抜きを試してみて、オイルを吸えるだけ吸い取ります。そのあと、ドレンボルトを外してみて、オイルが少しでもオイルパンから出てくるようなら、その車は下抜きのほうが向いている。
逆に、上抜きで吸ったあとドレンボルトを外してオイルが全く出てこなければ、上抜きのほうがいいということです。
オイル交換の目的は、より多くのオイルを抜き取って新油に換えることですから。
僕は手動式オイルチェンジャーを買ってみて、これまで6台で試してみました。
僕が家で使ってる車は上抜きのほうがより多くのオイルが抜けました。これは実証済みです。以後、オイル交換は上抜きオンリーで行っています。
YouTube動画でコメントを頂くのが
「フラッシングをやるのなら絶対に下から抜くべきだ!」
というコメントです。
動画に出してないのが原因とはわかっていますが、下から抜く意味がないからです。上抜きでオイルを吸いだした後、ドレンボルトを外して一滴も出てこないのがわかってるのに、ドレンボルトを外す必要がないから。
上抜きを一度でも経験してしまうと、その便利さに下抜きが嫌になるほどです。
上抜きのメリットは
・ジャッキアップの必要がない為、作業が安全である
・廃油の移動が楽
・下抜きより多くのオイルが抜ける車種がある
・アルミのオイルパンの場合、ネジ山をなめるなどのリスクを回避できる
と、なります。
では上抜きがうまくいかない車種は何か?実際に僕が体験した車を紹介。
スズキのキャリィ。DD51Tという型式のものです。
この車にはF6Aというエンジンが斜めに搭載されています。最初はアトレーワゴンと同じようなマウント方式だから上抜きOKだろうと思っていました。
でもこの車は下抜きのほうが向いています。
この車、オイルレベルゲージが曲がりながらオイルパンへ接続されています。
一番奥までホースを差し込むと吸えないんです。少し戻したところでようやく真空になります。そして全量抜き取ることができなかったので、キャリィは上抜きのほうがむいていました。
オイルレベルゲージのガイドが湾曲しながらオイルパンへ入ってる車種は、一番下面にアクセスするのが難しいため、上抜きですべて抜けない可能性が高いです。
ひとつ前の日産DAYZです。この車はオイルレベルゲージがヘッドカバーに直接刺さっているタイプです。
昔ステップワゴンのK20Aに乗っていたことがあり、やはり上抜きを試したことがあります。K20Aだとオイルチェンジャーを差し込んだら、エンジン内部で何かに引っかかってチェンジャーのストローが抜けなくなりかけました。
もしエンジンの中で引っかかってストローが抜けなくなり、内部でちぎれてしまったらと考えると恐怖でした。
そんな恐怖を思い出しながらDAYZでチャレンジすると、すんなりストローがささってすんなり抜けました。
こちらのDAYZも上抜きのほうが向いていると思います。
180SXでも試してみました。
このSR20DETというエンジンも結果を先に書くと上抜きに向いていました。
特にシャコタンになってる車などには、上抜きが向いていることはとても喜ばしいことですね!
スズキのカプチーノはどうだったか?
上抜きOKです。ちゃんと真空になってオイルがきちんと抜けました。
ダイハツのアトレーワゴンは上抜きお勧めです。ドレンボルトから一滴もオイルが出てきません。
トヨタのシエンタも同様です。上抜きで抜いた後、ドレンを外しても一滴も出てきませんでした。
もし家に何台か車がある人は、オイルチェンジャーを買ってみてもいいと思います。
ちなみにオイルチェンジャーではATFも抜き取れるので、ATFの交換もDIYでできるようになります。
今まで買った工具の中で、かなり使えるのがオイルチェンジャーです。
上抜き・下抜きどちらが向いているかは実際にやってみないとわかりません。
もし、上抜きで抜いた後、ドレンボルトからオイルが出てこないのであれば、以後下抜きをやる必要はなくなります。
オイル交換の手間も省けますし、安全です。僕は上抜き推奨派です。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。