車の新車保証については一般保証と特別保証というものが存在します。
例としてトヨタは、一般保証として3年6万キロ設定になっています。エアコンやパワーウインドウや純正ナビなど、ほぼすべての部類に関して保証修理が可能になります。
特別保証はどうか?新車から5年10万キロ設定となっています。こちらはエンジン機構やステアリング機構、乗員保護装置など、クルマの走行や安全に関わる重要な部品について保証されています。
この前4年3万キロの車がエンジンがかからなくなりました。いわゆる始動装置の不良で、この場合なら特別保証に該当します。
しかし、ディーラーに問い合わせたところ保証修理はNGとなりました。そのいきさつなどを紹介します。
お客さんの車で、エンジンがかからなくなった。ということでレッカーされてきました。
原因を探っていくと、スイッチONでセルモーターが回らない。バッテリーはどうかと点検を進めていくと問題なし。
結果、セルモーター本体が故障していました。
塩カルが多量に散布される積雪地方で使われている為、錆が各所に発生しています。
おそらくOHすれば動くようになるけれど、走行距離も3万キロ台だったのでディーラーに保証をまずは聞いてみました。
するとこのような回答。
「OEM車なので、セルモーターの保証は3年となっていました・・・」
車種を明らかにすると、この車両はスバルのサンバーです。ダイハツのハイゼットOEM車。ダイハツで作ってるものをスバルで販売しているケースです。
スバルのHPを見てみると、特別保証の中にスターターと書いてあります。
つまり5年10万キロはセルモーターの不良であれば保証修理がきくはずなのです。が、OEM車にはこれが適用にならないということで保証になりませんでした。
言われてみればこのタイプのハイゼットやサンバーって、ウォーターポンプからクーラントがよく漏れてきます。この場合もOEMだからという理由で特別保証扱いになりませんでした。
でもこれってどうなのかなって。OEMだからという理由で保証が短くなるのであれば、サンバーなど買わないで製造元のハイゼットを買ったほうがいいということになります。
スズキのキャリィもそうですね。日産クリッパーや三菱のミニキャブを買ってはいけない。
ムーブは保証が長いけど、ステラは短いから気をつけろ!と。
スバルのHPを見ると下の方に保証対象は車種によって異なりますと記載があるので、間違いではありませんね。
でもこの理屈を当てはめて考えると、OEM車はよほどそのメーカーが好きだという理由でない限り避けたほうがいいのなと思ってしまいます。
車の保証って、基本的に最初に新車登録をした人に適用になります。
新車で買って3年で乗り換えた。その中古車を買った人は、本来なら特別保証があと2年間残っています。
ただ単に名義変更したというだけでは、保証を受けることができません。
保証期間が残っている車について、きちんと保証も受け継ぎたいという場合はディーラーで保証継承点検をうけないといけません。
車検証ホルダーの中にメンテナンスノートがあります。このメンテナンスノートに保証書が付いています。ここに新しくオーナーになったということで証明をしてもらい、継続してもらうのが保証継承と呼ばれるものです。
費用は1万円ちょっとかかります。保証継承は実際に保証を延長して問題ないかをディーラーが点検する作業です。
もし年式の新しい中古車を買った場合は、保証継承点検をぜひ受けておいてください。5年間の特別保証は、エンジンが壊れたとしても場合によっては保証になります。
特別保証については、5年間継続されるようにしておくことをお勧めします。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。