今の時代、故障診断はより面倒くさくなってきています。
そのほとんどが電子制御化されているからですね。昔みたいに、エンジンが不調だからプラグを外して・・。
プラグがかぶっているから燃料が濃いからキャブがおかしいのかな?とか、どうも火花が飛んでいないからイグニッションコイルが怪しい。
なんていう単純な診断では直せなくなってきているのが本音です。
では、今の時代の故障診断では何がポイントになるかというと何はともあれOBD2の診断器です。それもある程度読み込めるタイプじゃないとダメですね。
目次
OBD2を使いこなそう!
このOBD2というコンピューター診断器ですが、使い方は大きく分けて4つあります。この4つを制すれば、故障診断がかなりできるようになります。ので順を追って説明したいと思います。
1、ダイアグコードを読み取る
これは新米整備士でも簡単にできることだと思いますが、エンジンチェックランプが点灯したら、まずはダイアグの故障コードを読み取ります。
故障コードは共通になってきているので、大体のテスターであれば読み取れる。何はともあれ故障コードを読みましょう。
2、現在の状態をモニタリングする
例えば、エンジンの始動性が悪い!ということでOBD2の診断器を繋いでみる。ダイアグコードが入力されていなくてもできることがあります。
それは、現在の各情報を読み取るということ。OBD2を繋げば、車両の情報がわかります。今はエンジン回転がいくつで、点火時期が何度。そして各センサーからの数値はこれこれで・・。
この数値をよーく見ていくのです。例えば、季節が夏だとします。エンジン始動性が悪いということで、よーく各センサからの数値を見ていくと・・夏のくせに水温がマイナス20度になってるじゃん?これはあり得ない。
気温でも20度を超えているから水温センサーが不良を起こしていて、燃料を濃く噴射しているからエンジンがかからないんだ!試しにエアクリーナーを外してクランキングをしてみるか!かかった!
というこんなことができるのです。ダイアグコードに壊れたセンサーの全てが故障コードとして入ってくるわけではありません。特性がずれているくらいではコードが入らないので、現在の状態をモニタリングして、明らかにおかしいものを探すという使い道
3、ダイアグコード入力時のパラーメーターを読む!
この辺りまで使いこなせて来れば中級です。今のOBD2はダイアグコードが入った時のエンジン情報をメモリーしているのです。
これが知らない人がけっこう多い。そして最悪なのが、簡単にダイアグコードを消してしまう人。これはやってはいけません。
よく一過性の故障なのかを見分けるためにダイアグコードを一度消してみる。という人がいますがこれはNG。ダイアグコードを表示した時に、その当時のエンジン状態のパラメーターを読み込んで記録してからコードを消すようにしてください。
よく保証期間だからディーラーに持って行こう!といって、故障コードを消して持っていく人がいますがこれ最悪。せめてパラメーターを残しておかないと、その故障コードがどういった理由で入ったかを確認することすらできなくなります。
ダイアグコードを読んだら必ずその時のエンジンパラメーターも読んで記録しておくこと。このパラメーターを読めば、エンジンチェックランプが点灯した原因がわかります。
4、オシロスコープモードを使う!
大体のOBD2にはオシロスコープモードが備わっています。例えば、エンジンがかからない。初爆すらない。怪しいのはクランク角センサーだから交換しよう!直った。いやっほう!
この整備の仕方は三流です。クランク角センサが怪しいのは百も承知ですが、それを証明しないとダメでしょ。なのでオシロスコープとしてOBD2を使って、波形を読む。波形がおかしいとわかって初めてクランク角センサ不良と断定しないとダメ。
それができて経験がある人じゃないとそういう診断はしないでくださいね。
OBD2ではこの4つを主に使いこなすことを目標にしてください。あとは各センサの特徴をきちっと勉強してやれば故障診断はできるようになってきます。
例えばO2センサ故障が出たとして、現在のセンサをモニタリングします。O2の数値が基準から離れたとしてすぐにセンサ異常を疑うのはナンセンス。8割くらいはO2がいけないわけですが、その原因を突き止めてからじゃないとダメです。
燃料が実はリッチ・リーンになっていないかなどを調査した上でセンサ不良と断定してください。
OBD2は奥が深いけど使いこなせれば、強い味方になりますよ。故障診断の仕方も変わってきてしまったということなんですよね。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。
コメント
OBD2の使える車は羨ましいです。
GF-RA2のプレオはOBDの端子はあっても使えません。
せっかくスマートフォンで見れるセンサーを持っているのに・・・
初期のOBDでは閲覧できる情報が少ないですよね・・。
活用しない手はないんですけどね