いよいよ10月からOBD車検なるものがスタートします。
そもそもOBD車検とはなんなのか?
OBD車検とは、2024年10月より導入された新しいタイプの車検で、自動車に搭載されている「車載式故障診断装置(OBD)」と呼ばれるコンピューターを使って、車両の様々なシステムの状態を診断するものです。
OBD車検の主な目的は、以下の通りです。
OBD車検では、自動車に搭載されているOBDに記録された故障コードを読み取ります。この故障コードは、車両の様々なセンサーやコンピューターが検出した異常を記録したもので、OBD検査装置を使って読み出すことができます。
読み出された故障コードを基に、検査員は車両の不具合箇所を特定し、修理が必要かどうかを判断します。
OBD車検の対象となるのは、主に以下の車両です。
これらの車両は、OBD車検を受ける必要が出てきます。車検証の備考欄に記載されています。
と、ここまでがOBD車検の内容です。ここからは検査員向けの情報になります。
うちの事業場管理責任者が講習で聞いてきたことを共有したいと思います。
まずOBD車検では、検査用ツールが必要になります。
おそらく指定工場の大半で用意済みかなと。
そして実際に何をするのかっていうと、OBDの16ピンコネクタから車両に接続し、車検証データと照らし合わせて合否判定を行います。
車検証データはQRコードリーダーで読み込んだり、電子車検証ならICカードリーダーで読み込みます。手打ちで入力することも可能です。
ただ、手打ちは極力避けた方がいいです。というのは、車体番号などのうち間違えが生じる可能性があるからです。
例えば1001というナンバーの車でフレームナンバーが90002の車があるとします。
同じ日に連続で登録された1002というナンバーで、フレームナンバーが90001という車が入庫したとします。
車検証のQRコードがかすれて読み取れず、手打ちで入力をしました。
が、1001のナンバーの車両に対してフレームナンバーも90001と間違えて入力し、それをデータとして飛ばしてしまった・・。
これ、NGです。同一性検査で相違!と同じことになるわけです。
いわゆる替え玉車検が可能になってしまう。連番で登録された車両に対して、一つはOBD検査をして引っかかってしまった。
では正常な車の方に接続して、車検証データをかいざんして適合!とデータを飛ばすことができてしまう。これと同じことになってしまうのです。
OBD検査には確認モードと検査員が使う検査モードがあります。
自社で整備予定ではない車両のOBD検査の確認をするのもダメだといってました。
あくまで整備をする前提の車両しかOBD検査の確認すらしてはいけないと。確認モードであっても、データをやりとりしているので気をつけないといけない。
知り合いがユーザー車検を受けようとしていて、OBD検査対象車両であった。とりあえずOBD検査でエラーが出ていないか確認してくれない?
と、言われて整備予定ではない車両の確認をするだけでもダメだと。なので、検査用ツールでログインするIDのパスワードは絶対誰にも教えるな!と釘を刺されています。
9月まではいろいろと試すことができます。10月からは正式にスタートになるので、変んなことをすると処分対象になるので気をつけてください。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。