エンジンチェックランプ点灯の一番多い原因はO2センサの故障です。もういいきってしまいます。
エンジンチェックランプが点灯すると、8割くらいはO2センサに関する故障コードがダイアグノーシスで表示されます。
O2センサの役割ってそもそもなんなのか?
一言でいうと、触媒が最大限に発揮できるように排気ガスをモニターしているセンサです。エンジンから出た排気ガスを検知していて、そのデータをECUに送っています。
その数値を元にECUは燃料を増やしたり減らしたりと理論空燃比に近づけるように、フィードバック制御します。
O2センサが壊れた!エンジンチェックランプが点灯。故障コードを読みとってみたら、O2センサヒーター回路断線などというコードが・・・。
いたずらにO2センサ系統のコードが出たからといっても交換に踏み切るというのは早いのです。
以前、O2センサ交換に踏み切った車があったんです。が、しかししばらくしてまたチェックランプが付いてしまった。というクレームをもらったことがあります。
センサを交換に踏み切る前に、いろんな点検をしました。O2センサの動きをOBD2で波形を計測したり、動きをみたり。さらには一度故障コードを消して再発するかどうかを確認してからの交換でした。
もうセンサがクロであることは間違いない。だけど、またチェックランプが点いてしまった。故障コードは前回と同じ・・・??
再度預かって点検すると・・・。やはりまたO2センサが壊れていた・・。この時点で保証が付いているセンサだったので、O2センサの製造元に交換したセンサを送って単体点検を依頼。
O2センサの製造メーカーがレポートをくれました。以下抜粋します。
・センサの取り付けてからの距離と期間
具体的にははセンサを購入した日と取り付けた日。さらには故障した日。その間の走行距離。
・外観検査
現状のセンサを外から見た所見。今回は本体の筒部にかけて黒色の変色が見られる。原因は急冷や酸化。
・実測検査
ヒーター電源に13.7Vを通電させて1分後に混合ガスをセンサーに吹き付けてオシロスコープで波形測定。さすが製造元。僕らがOBDのオシロスコープで漠然と波形点検するよりも具体的。
この結果、ヒーター抵抗値は正常。センサーの反応時の起電電圧とセンサーの反応速度が基準値から外れて異常と判断。
センサー素子の反応不良と断定。
これら総合的に判断すると、今回のO2センサーが故障しているのは、センサー素子が破損しているということでした。出荷時には厳密なテストをしてからの販売なので、正常であった。搬送中の衝撃で微細なヒビが発生していた可能性は否定できないとのこと。
センサー素子が壊れる原因として、外部からの衝撃や排気温度の異常上昇、浸水などが考えられるそうです。今回は衝撃があったのではないかと。
O2センサが2つ異常ついている車は要注意です。これはA/FセンサとO2センサとして使用しています。
エンジンの上流と下流でそれぞれモニターしているわけです。触媒の前と後ろでそれぞれ計測しているわけですが、片方を純正。もう片方を社外品といった交換をすると、稀に特性が微妙にずれて点灯することがあります。
センサはできれば純正品を使うのがベターです。
ですけど、今回のように社外品のO2センサには保証がついてくるメーカーもあります。そして値段が安い。この辺りを考慮して選ぶのがいいかもしれないですね。
今回はO2センサを製造元に送って試験してもらいましたが、原因がはっきりとわかってよかったです。
O2センサの交換にはやはり専用のソケットを使うのがベストですね。
当然締め付けすぎもNGです。
O2センサは奥が深い!
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。