エンジンチェックランプの点灯原因といえば、ナンバー1の理由にあがるO2センサ不良。
O2センサは何をしているセンサか?これは排気ガスの酸素濃度を検知しているセンサです。より触媒が排気ガスをクリーンにするために、排気ガスをモニタしてその結果をECUに伝えています。
O2センサからの信号を受けて、フィードバック制御をする。燃料を濃く噴射したり、薄くしたり。やってることは結構重要なセンサなんですが、いざ壊れたとしても運転に支障がでるか?
と言われれば、そこまで体感できるような症状が出ない。極論を言えば、壊れっぱなしでも普通に運転ができちゃったりするんです。
しかしながら車検時にエンジンチェックランプが点灯してしまうと、修理しないと検査に通らなくなります。このO2センサの交換について。
O2センサの故障判定は、整備書のフローチャートに基づいて診断します。この誤判定が結構多い。
本当にセンサが壊れているかどうかを正確に診断しないと痛い目にあいます。
O2センサにはヒータ回路を備えているタイプがあります。センサ内部にヒーターがあり、すぐにセンサが働くようにされています。まず交換対象として多いのがこのヒーター系回路の断線。
ヒーター回路が断線したとしても、センサ内部での断線になるので外見からはまったく判断ができません。
物理的な断線なので、これは当然センサを交換しないといけない場合もあります。
他にもOBDの機種によっては、O2センサ系統とか若干曖昧な表記がでてくることもあります。この辺りはセンサじゃない可能性もあります。
整備書のフローチャートを細かく追ってる時間がない場合でも最低限以下のことを点検したほうが無難です。
・エンジンチェックランプが点灯した時のコードやパラメータを全て保存しておく事
・パラメータを保存したら、一旦コードを消去。何トリップでコードが再現するかの点検
・物理的なヒーター系回路断線などではない場合、O2センサ以外にも目を向ける事
・センサを1系統で2つ使ってる場合、同時交換が望ましい。(もし明らかに故障してるセンサだけしか交換できない場合、純正部品を取り付けて品番も控えておく)
・最終的にはECUが壊れてる可能性があるので要注意。時間があればきちんとフローチャートで確認していく事
多いのがO2センサを2つ使ってるタイプ。バンクごとではなくて、入り口と出口に1つずつつかってる場合です。片方がAFセンサをやってるタイプ。
これは2つのセンサ特性を比較しているタイプになります。たまにあるんですが、片方が壊れたから社外品で交換した。が、その後にまたチェックランプが点灯した。というもの。
これは、純正のO2センサと微妙に特性が違って、それがしばらく乗っていくと何トリップかして、エンジンチェックランプを点灯させるカウントを累計しちゃう場合。
すぐには再発しないけど、1ヶ月くらいしたら再点灯することがあります。なので、片側二ついてるのが純正センサだとしたら、純正部品でもう片方を交換するのがベスト。
もし片方がすでに社外部品になってれば、そのメーカーと合わせるほうがいいかもしれません。
前、こういうケースがあったので社外O2センサの販売元に保証してもらったことがあります。交換したセンサを販売元に送ってテストしてもらったら、やはり特性異常が発生した。そのあと再度保証部品に交換してからは完治しましたけど。
昔のようにO2センサが壊れたから交換っ!というのはとても早計です。ある程度お客さんの理解をもらって時間をもらいながらじっくり診断するのがベストです。
ECUが壊れていたケースが僕は3件ほどありました。これ、全て同じメーカーの某車種ですけど・・。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。