今や希少な存在となりつつあります。スペアタイヤ。
その昔は必ずと言っていいほど標準装備されていました。今ではオプション設定している車はごくわずか。大多数はパンク修理剤を積んでいるだけです。
ちょっとしたパンクならパンク修理剤でなんとかその場を凌げるでしょう。ですが、バーストした場合はレッカーされることを覚悟しないといけない。
ホンダの大人気N-VAN。貨物車の常識を破ったスタイルで、大ヒットしています。そんなN-VANのスペアタイヤの話です。
ちょっとしたことをするために、N-VANをいじってます。リフトアップして気がついた。
おっ!スペアタイヤ積んでるじゃないですか!さすが貨物車。スペアがあるとないとでは緊急性に差がでてきます。
スペアタイヤって一度も使われることなく生涯を終えるタイヤも多く、環境の面でも不要論がでています。だけどぼくはスペアタイヤ必須派です。
もしタイヤをバーストしてしまったとき、レッカーしてもらうことのCO2やら何やらを積算して考えるとどうなのかなぁって。
しかしこのN-VANのスペアタイヤ・・・
どう見ても抜ける気配がない・・・。フレームの上にスポッとはまっています。この構造でいくともしかして・・・
まさか・・・
どうやらそのまさかです。N-VANのスペアタイヤ脱着にはどうやらリヤバンパーを一部外すようです。
バンパーの下部に10mmのネジが2本あります。それをまず外す。
そしてリヤハッチを変えると10mmのナットが2つ見えます。これも外す。
ネジを4本外したら、バンパーの一部を慎重に引っ張ります。
なんとリヤバンパーの一部が外れるようになっています。もしこの部分だけをぶつけちゃったらお手軽に交換ができますね。
という冗談はさておき。
あとは19mmのスペアタイヤハンガーを外す。
でてきましたよ。スペアタイヤ。
これはなかなか手ごわいです。
というか、この手順をちゃんとこなせるか?というと、結構ハードル高いと思いませんか?おそらくN-VANを好んで乗るユーザー層は、ちょっとアクティブ系な男性がメインターゲットになってくるのかな?
そういう人たちならなんら問題はないでしょう。ですが、会社の営業車で車にちょっとうとい人が乗っていたとしたら、自分でスペアタイヤの交換・・・できるかな?
でもまぁ今でもスペアタイヤが付いていたとしても、自分で交換ができなくて救助を要請してくるお客さんは老若男女います。男性、女性、若者だろうが年配の方だろうがそれぞれいます。
とりあえずスペアタイヤがあるっていうことは、僕たち業者がレッカーをする必要はないということになる。その場で付け替えてあげればいいわけですから。
レッカーの手間がないというところではいいかなと。
それにしても複雑な仕組みだな・・・。車検の時はスペアタイヤの空気圧調整という項目があるので、車検時にはリヤバンパーを必ず脱着するようになるわけですね。
エアーバルブの位置がいいところにあって、タイヤを脱着しないで空気だけ入れちゃう人もいるかもしれないけど。それはよくないです。
エアーバルブの劣化具合もちゃんと確認しないと。
まさかのN-VANスペアタイヤ脱着でした。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。