冬はタイヤ交換まっただ中になりますが、その中でちょっとこれはなぁ〜ということがあります。
それはホイールナットに何か潤滑剤の類いを塗っている人が多いということ。
おそらくオーナーは次回にネジを回す時にスムーズに取り外しが出来るように潤滑剤やらグリスやらを塗布しているものと予想できますが、実はこれが良くない事を引き起こします。
それは何かというと、下手な潤滑剤をホイールナットに塗布すると、規定トルク以上で締まってしまうということです。
そんな馬鹿なと思いますが、実際にそうなんです。とくにスプレーグリスや固形のグリス。あとモリブデン系の物を塗るとテキメンにそれがわかります。タイヤ交換にきた車を最後に規定トルクで締め付けようとトルクレンチをあてがうと、いつまでたってもカチッと言わない。
もうそれ以前にわかりますけどね。ホイールを見たらえぐれているんですよ。規定トルク以上で締め付けられている為に、ホイールにナットがめり込んでいる。ホイールナットを外してみると、やっぱり何か塗ってある。ホイールナットに油を注すと確かにスムーズにネジは回るようになるけれど、締まりすぎてしまう。
トルクレンチで締めたとしたら、おそらくそれは締まりすぎています。感覚でわかります。おいおい、これはまだ締まってしまうのか?って。
僕がそういう車に遭遇したらどうするか?ホイールナットを外した時に、パーツクリーナーでホイールナットとクリップボルトを洗浄します。これでOK。ただ、えぐれてしまったホイールは元にはもどりません。
過度なトルクで締め付けられたホイールは歪んでしまう訳で、緩みやすくなってしまいます。こうなったら本当はホイールを交換した方が安全なんです。
ホイールナットの管理が怖いのであれば、ぜひ安くてもいいのでトルクレンチを買う事をお勧めします。業者にタイヤ交換を依頼するのであれば、逆に変な潤滑剤等は使用しない方が無難です。
これは僕が家で使っているトルクレンチです。結構安いですが、物はしっかりしています。
もし自分でタイヤ交換をする人であれば、トルクレンチはぜひそろえるようにしましょう。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。
コメント
社用車でも前任者がグリスをカジリ防止の為か塗っていました。
タイヤを外した時に判り、全数パーツクリーナーで脱脂しました。
トルクレンチで締めればかじる事は無いと思うんですが。
グリスをぬれば、次に緩みやすいということで塗る人がたまにいます。
ですが、やっぱり締まりすぎてしまいます。特にトルクレンチがまったく役に立たなくなりますので。
家でクロスレンチなどでタイヤ交換をする人にはそれはそれでいいのかもしれないですね