車検切れ車両を捕捉
―街頭検査で「ナンバー読取装置」を試行運用しました―
国土交通省のプレスリリースで発表になってましたこの件。以前、移動式ナンバー読み取り装置の開発に成功したということで、さっそく試験運用したとのこと。
これが結構な成果が上がってきていてびっくり。
3696台を調査したうち、実に7台が無車検だったということです。地域と時間による格差はあるので、どこの地域の台数が多いとは一概には言えませんが、結構いますね。
およそ0.18%が無車検であるということになる。
自動車検査登録情報協会の平成29年12月末の調査では乗用車と貨物車のみですけど日本の保有台数は76297041台あります。
保有台数の割り出しはおそらくナンバーが付いているということが前提で割り出していると思われますが、その全てが実際に使われているかというとそうではない思う。それにしても、日本で運行されている車が3000万台あると仮定しても車検切れで、実際に運行されている車が0.18%で単純計算しても
実に54000台!
うーんなかなかすごい数ですね。
そもそも車検を取ってない車の何が問題なのかっていうと大きく2つ。
車検に出していない車でも実は、車の状態は悪くない場合だってあります。今の日本車は性能が上がってきているし、ブレーキも問題なければエンジンも問題ない。
つまり、性能上は運行していてもなんら支障がない車なのかもしれない。だけどもっとやばいのが事故をした時です。
基本的に車を車検する時って、自賠責保険というものに必ず加入しないといけないんです。いわゆる諸費用と呼ばれる部分で
自賠責保険
重量税
印紙代
この3つが諸費用。いわゆるどこの業者で必ずかかる金額です。ユーザー車検でもこの3つは同じお金がかかります。
この自賠責保険。これは今更説明するまでもないですけど、交通事故が起きた時にまず補償にあてられる保険です。例えば僕の息子は2人交通事故に遭遇しています。幸いどちらも命には別条がなかったけど、救急車を呼びました。
1回目の事故はひどいもんでひき逃げされて、足を骨折された。救急車に乗っていろんな調査をうけましたが、支払いは全て自賠責保険になりますので請求はありませんと。
事故が起きた時に、まず被害者救護にあてられるのが自賠責保険。
車検は車検期間以上の自賠責保険を加入していないと検査に通らないようになっています。もしかしたら、車検が切れていても自賠責が残っているケースもある。これは、新車の登録などで手間取るという理由で、車検期間よりも1ヶ月余分に入ってるケース。
ディーラーで購入すると大体このパターン。僕もこれを推奨しています。万が一車検期間が切れていても、1ヶ月くらいは自賠責が残っているので、土日でも一日車検をすることが可能です。
話を元に戻すと、無車検車の一番やばいところは事故った時の補償が全くないという点。これは相手側に対してです。
車検を取ってないで自損を起こす分なら、いい勉強になったね。で済む話。だけど相手に損害や怪我を負わせてしまったら最悪です。
すごく揉めるケースですが、保険屋さんが出てこないので取りっぱぐれてしまうことがある。
実際の例を出してみます。
例えば、駐車場であなたが止まっている時に無車検車に突っ込まれて傷ついた。
この場合あなたは止まってるので、過失は基本的に0です。相手の保険で、全て補償してもらえます。修理期間中は無料代車としてレンタカーを手配してもらえます。
ただ、相手は無車検車。当然保険は入ってませんので全て自分で賠償してもらうための交渉をしないといけません。近所の車屋さんに見積もりを取ってもらって、その見積もりを相手に渡す。あとは修理をした後きちんとお金をはらってくれるかどうか。
修理工場は依頼者からお金を請求するので、相手がすぐに支払ってくれない場合自分で払わないといけません。
そんなこんなしている間に相手がドロンといなくなってしまった・・・。
これが、もっとひどい事故になったらもうごちゃごちゃです。それこそ怪我までしたら、相手からどこまで補償をしてもらえるか・・・。
どれだけ無車検車が恐ろしいかわかりますね・・・。
そもそも無車検車を運転するってことはそれなりにリスクもあります。
罰金と罰則ってやつです。
点数は6点、30日間の免停
6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金
無車検車を運転するということは、それだけでリスクも高いわけです。怖いのが自覚していないケース。
車は全て車屋さんに任せっぱなし。車検の時期になったらダイレクトメールがくるし電話がかかってくるから安心。
こういう人は多いです。もし、お世話になってる車屋さんが潰れていた・・。こんな場合どうします?あなたには車検の通知は一切来ません。
きちんと自分の車の車検時期くらいは把握していないといけません。これは車を使用する上での最低限必要な部分です。
今後この手の該当検査が増えていくと、かなりの台数が検挙されていくでしょう。少々言葉は悪いですけど、きちんとした罰則を与えて社会的にも大きく報道・問題していかないと、車検が切れているおそろしさは伝わりません。
自分で困るのはいいんです。他人に迷惑をかけてまで車に乗るのはいけません。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。