車を塩害から守るために、新車時から下廻りに防錆処理をする人が増えてきました。
僕も昔から塩害での錆について書いてきましたが、自分で新車を買うのなら必ず施工します。理由は簡単で、塩害でボディのフレームに穴が開くと車検に通らなくなります。
ボルト止めしてある部位に関しては、部品で交換が可能です。
しかし、骨格が駄目になってしまうと、整備での補修ができなくなりパネルを切って交換の板金作業が必要になります。
そこで、鉄板むき出しの下廻りに防錆塗装をします。
下廻りの防錆塗装ですが、種類が何種類かあります。
車検時に使用される水性パスター。いわゆるシャーシブラックというもの。
そして塩害ガードというそこそこ分厚い塗膜のスプレー塗料。
僕が昔から愛用しているノックスドール。
最近幅広く使われてきたスリーラスター。
ここではノックスドールとスリーラスターを比較してみたいと思います。
ノックスドールとスリーラスター。それぞれどのように違うのか?
まずはノックスドールから。新車に施工するのは1100という溶剤です。水性タイプで、溶剤を攪拌して専用ガンをつかって下廻りに塗布していきます。
こちら、実は先日我が家で購入した車です。ノックスドールを施工してみました。
こうなります。
お客さんの車じゃないので、細かくマスキングはしていません。ハイブリッドケーブルも少しノックスドールがかかってしまっていますけど。
ノックスドールもスリーラスターも共通して言えるのは、付着してほしくない部位は外したりマスキングをする必要があります。
塗膜に関してはノックスドールの方がスリーラスターよりも分厚いです。
簡単には剥がれません。
3日ほど経過した状態です。
専用ガンで吹き付けますが、細かいブツブツのような仕上がりになります。
完全に乾燥させれば、スチーム洗浄をしても落ちないくらいで、防錆効果は高いです。
続いてスリーラスター。
こちらは水性パスターのように作業することができます。
お手軽に作業が出来る為、近隣ディーラーの殆どがこちらを採用しています。
スリーラスターは塗布するとかなり奇麗に仕上がります。
見た目も奇麗になります。ただし、スチーム洗浄をダイレクトに当てると塗膜が剥がれてしまいました。
塗膜自体は若干ペタペタしているイメージです。ノックスドールよりも塗膜は薄いです。
それではノックスドールとスリーラスター、どちらがお勧めか?
僕はノックスドールをお勧めします。理由は実施に施工してみるとわかりますが、塗膜が厚くて非常に長い期間しっかりと防錆効果を保ってくれています。
近隣ディーラーでスリーラスターが主流の理由は、おそらく施工するお手軽さです。
ノックスドールの方が施工する行程が大変です。
利益率を求めるのなら、スリーラスターでさっと終わらせる方がいいですよね。
もし、防錆処理をしたくて、専門店でノックスドールとスリーラスターのどちらかが選べるのであれば、ノックスドールにしておいた方がいいと思います。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。