お客さんからのオーダーで
「なんだか最近乗り心地がわるく、ガタンガタンと大きな音がするようになってきた」
という部類の相談をよくもらいます。新車から乗ってきて、最近ガタンガタンと音が出るようになってきた・・。これを直す方法はないのだろうか?
足廻りからの異音で一番わかりやすいのが、スタビライザーリンクロッド。
鋼鉄のスタビライザーをアームやストラットなどに接続するロッドです。ここのロッドはボールジョイント形状になっていてここにガタが出てくると異音がでます。
こういう直接的な原因がはっきりとわかる異音であれば、比較的修理するのは容易でコスト的にもお客さんを納得させることができます。
全体的な乗り心地を考えた時に、交換を考えないといけない足回りの部品は相当数に増えてきます。
・ショックアブソーバー
・アブソーバーアッパーマウント
・ロアアーム取り付けブッシュ、もしくはロアアームASSY
・各足回りのロッドに取り付いているブッシュ。
・エンジンやミッション・デフのマウントなどなど
例えばロアアームという部品ですが、車と接合される部分にはゴムのブッシュを介して接続されます。メーカーと車種によってはこのブッシュ単体だけで部品の設定があるところもあります。
ですが、アームアッセンブリーでしか部品供給をしてくれない車種も数多くある。
アブソーバーもそうですよね。アブソーバーって、単体部品だけで交換したってあまり意味がない。ボディとの取り付け面でアッパーマウントも一緒に交換したほうがいい。
ウィッシュボーンタイプの足回りだと、アブソーバーの取り付け部分もブッシュが圧入されています。
もしブッシュだけで部品がでなかったとしたら、こちらもアブソーバー自体を交換しないといけない。
異音が発生したとして、それを修理するには何が必要か?
足回り一箇所の部品を交換しただけではあまり意味がありません。ロアアームにガタがあったから左右で新品に交換した。だけどアブソーバーの抜けてきてるし、その他のブッシュもちぎれている。
こんな状態だと1つの部品を交換したくらいでは全く異音を消すことは不可能です。
ブッシュの交換はそれぞれの部品を取り外して、プレスなどで交換します。ブッシュの値段自体は安いですが、工賃が結構かかります。かなり手間な部類になります。
もし、経年劣化で乗り心地を改善したいのであれば、ある程度の予算を必要とします。
4本のアブソーバーを全部交換して、足回りのブッシュ類を全て交換するとなると30万円かかることだってザラです。
本気で乗り心地を改善したいというのであれば、それなりの予算を持っていないとダメです。当然作業時間もかかります。
細かい路面からの入力が気になるという人の車を見ると、タイヤがヒビヒビの場合もよくある。タイヤが硬くなるとクッション性がなくなるので、乗り心地が悪くなります。
15年15万キロを超えてきて、新車のような乗りごこちに戻したいと思うのなら、足回りの総取っ替えを検討する必要があります。
アブソーバーやアーム類を交換すれば当然アライメントも調節しないといけない。トータルで性能を回復させないとだめです。
人気の車種だと、純正でブッシュの設定がなくてもアフターパーツでブッシュ単体を手に入れることができる場合もあります。
乗り心地が悪くなってきたなぁに対する費用は思った以上かかってくるのです。
四輪アブソーバーを交換するだけで、アライメントもとれば10万円コースですね。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。