日本は土地が狭いので、一日当たりの走行距離が欧州や欧米とは比べ物にならないくらい少ない人が多いです。
例えば僕は車がなくても自転車で会社に行ける距離にいます。普段は車では通勤しませんが、子供の送迎がある時などは家に帰る時間がないので、車で行きます。
朝会社に行くまでの間にどのくらいの距離を走るのか?これ、下手したら水温系の青いマークが消える前についちゃったりする可能性があります。
エンジンが全然暖まってない状態で会社について停止。こんな走り方をすると、確実にシビアコンディションに該当します。
エンジンオイルに対する負担も大きい。オイル交換を早めに行えばいいのか?というとそれだけではないです。
エンジンが完全暖機する前に目的地についてしまう。通勤は行きも帰りも短い。中にはこういう人もいるでしょう。
エンジンが完全暖機を終わる前に、停止を繰り返すとどのような弊害が生まれるのか?
エンジンオイルがまずは劣化します。これは、エンジンって完全暖機をもってピストンのクリアランスが正常になります。ピストンは熱で膨張して、膨張した時点でシリンダーとぴったり隙間が合うように設計されています。
完全暖機が終わる前に走行をやめると、ピストンとシリンダーの隙間が大きいので、エンジンオイルの中に燃料が混じったりします。
そもそも冷間時は燃料を濃く噴射しています。これがすべて燃え切らないで、シリンダーからオイルパンへ燃料が混じっていく。するとオイルの中に燃料が混ざり、希釈されてしまう。きちんとした粘度が保てなくなるなどの弊害が生まれるので、シビアコンディションではオイル交換のタイミングが早くなります。
そして、こういったチョイ乗りをするとなると当然アクセルを全開にするきかいなんかあり得ません。どのような問題が生まれるか?
燃焼室の中に燃えカスのカーボンが溜まっていく。どんどんとカーボンが堆積していくと、バルブ周りにも密着していくので、圧縮もうまく保てなくなるし、ノッキングなどを引き起こす原因にもなります。
エンジンだけではなくてミッションでデフも同じことが言えます。チョイ乗りが与える影響って思った以上に車へ負担をかけてしまいます。
車の使い方として、チョイ乗りを繰り返している人は、月に1回くらいは高速道路を走ってアクセルを全開にしてあげることをお勧めします。
高速道路でアクセルを全開にすると何がいいのか?
これは、エンジンが当然のことながら完全暖機まで暖まります。そして、チョイ乗りを繰り返すことでマフラーにたまった水滴なども除去できる。
さらには、アクセルを全開にして燃焼室の温度を適正まで上げることによって、カーボンを少しずつでも焼き切ることができます。すべて奇麗になるかというと、それは難しいけれどやらないよりはよっぽどいい。
サスペンションもたくさん上下するので関節部も動きがよくなります。
高速道路って、車にとってはいい運動をする場でもあります。もちろん整備不良の状態で高速を走ってはだめですよ。
最低限オイルと水の状態、それとタイヤの状態を確認してから走ってください。空気圧は1割増しで。
特に最近のディーゼルエンジンはDPFの中に煤がたまります。これを焼き切る目的にもいいでしょう。ディーゼルはチョイ乗りがとても苦手ですから。
車も運動不足に陥ってしまうので、機会があれば高速道路を走るようにしてください。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。