スペアタイヤを標準装着しない車は、ランフラットタイヤにすべき理由

自動車整備の会社に勤めていますが、お客様からの電話問い合わせは様々です。

かかってくる電話の内容としては、車検や定期点検・板金など整備の予約。各種問い合わせ等様々ですがこちらも緊張して受け答える必要があるのがトラブル発生時。

トラブル発生は大きく2つに分かれます。

・交通事故など車が損傷してしまった

・車自体が故障して困っている

事故を起こしてしまったという電話は、大抵お客様はパニックを起こされているのがほとんど。事故処理を冷静に伝えて、必要であれば現場に急行します。

けが人などの救助。警察への報告。保険会社への報告などなどですね。

そして、車自体が故障して困っている電話。こちらも冷静に話を聞いて分析する必要があります。

例えば車がどのような状態であるのか?お客様の話を全て鵜呑みにするわけにもいきません。エンジンがかからないという問い合わせがあったとして、本人がバッテリーは昨日交換したといったとします。ただ、その話が正しいとしても現場に行く時は新品のバッテリーも積んでいく必要があります。

そして次に多いのがパンクしてしまったという問い合わせ。このパンクという問い合わせに関して言うと、最近はかなりうんざりしてしまいます。

JAFの出動理由二位にあげられるパンク

JAFのHPより引用毎日毎日現場の皆さんご苦労様です。

最近本当にうんざりしてしまう故障。

それはパンクです。10数年前くらいから、スペアタイヤを持たない車が増えてきました。スペアタイヤを持たない理由というと、ほとんどスペアタイヤを使うことがないということ、CO2削減に一躍を担う。さらには重たいスペアタイヤを廃止することで、車自体の軽量化に貢献して燃費が向上する。

と、理由としてはこんなところですね。

スペアタイヤを積んでいない車には、パンク修理剤と言う物が載せられています。

アフターメーカーで売っているものとはちょっと違って、純正のパンク修理剤は小さなコンプレッサーも付いてくる。

釘を拾ったなどのパンクであれば、空気を入れるところからパンク修理剤を流し込むことによって内部から穴を塞ぐことができます。ですが、そのタイヤのままずっと使うことは危険だから新品に交換しないといけない。

当然タイヤパンク修理剤も新品に補充する。

スペアタイヤがないとレッカー出動しないといけない

お客様からの電話を受けて、パンクしたと言われます。パンクと言ってもどの程度のパンクなのかで大きく変わってくる。

もし釘を踏んだ程度のパンクならその場でパンク修理剤を持って修理することもできるでしょう。ですが、サイドウォールを破ってしまうバーストであれば、タイヤは使えません。つまり走行不能なのでレッカー出動しなければいけないということ。

昔みたいにスペアタイヤがあれば、お客様がタイヤ交換できないとしても整備士を一人だけ派遣するだけでよかった。その場でスペアタイヤに交換してバーストしたタイヤのみ預かって新品に交換すればいい。

ですが、スペアタイヤを持っていない場合、整備士が行ったとしても何もできない。バーストしたまま走ってしまうとホイールも使い物にならなくなるし、足回りも傷がついてしまう。最悪な状況。

一人整備士を飛ばせばいいだけの状況から、わざわざレッカーをしないといけないようになってしまった。相対的に見ればこっちの方が大問題だと思うんですよね。軽量化やCO2排出量よりも・・・。

スペアタイヤを持たない車はランフラットタイヤに

じゃあスペアタイヤを持っていない車はどうするのかっていうと、全てランフラットタイヤにすればいい。

高級車のタイヤはランフラットタイヤと呼ばれている、パンクしても走れるタイヤを装着しています。サイドウォールと呼ばれている端っこ部分の強度が違って、空気がなくても走れる強度を持たせている。

ランフラットタイヤは通常のタイヤよりも割高です。なので高級車には採用して庶民車には採用しないのです。

これもちょっとユーザー視点をバカにしている気がすると思うのは僕だけでしょうか?

庶民の皆様はパンクしたら修理キットで修理して工場まで走ってください。あ、バーストしたら諦めてJAFを読んでくださいね。でもお金持ちのあなた様は特別なタイヤを履いているのでそのまま工場までご来店いただけまーす。

と、こんないやーな雰囲気ですよ。何しろ絶対数が庶民車の方が多いんだから、いたずらにスペアタイヤを廃止するというのは僕は嫌ですね。

そのあたり自動車メーカーはもう少し考えて欲しい。オプションでスペアタイヤを選択できます。じゃなくて、やはり標準装備にした方がいいと思いますよ。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする