お客さんの車が定期点検で入庫して、何か気になるところなどを聞いてみたら一言
「またサイドブレーキを引きっぱなしで走っちゃったんだよ・・・よく見ておいて」
というもの。
車はアトレーで、このお客さんは過去にもサイドブレーキを引きっぱなしで走行をしたことが何回かあります。本人も気を付けているようですが、なかなか治らない。
そもそもサイドブレーキを引きっぱなしだと警告音がでるんじゃないか?
まずはサイドブレーキを引きっぱなしにしてしまうとどうなるのか?
サイドブレーキを引いたまま走ってしまったらどうなるのか?
一番はブレーキを引きずった状態での走行になるので、非常に熱を持ちます。途中で気が付いて解除したのならいいけど、そのままだと最悪車両火災につながる恐れもあります。
では、サイドブレーキを引きっぱなしにしてしまったとき、どんな整備が必要になるか?
ブレーキをずーっと引きっぱなしにしていると、表面が焼かれてカチカチになります。
できればブレーキシューやパッドを交換したほうがいいです。
予算が合わないのなら、表面を削ってあげる。
表面を一皮むいてあげれば、とりあえずは大丈夫です。
もしブレーキの表面を削っても、柔らかい摩材が出てこなかったら交換です。
これはディスクブレーキでもドラムブレーキでも同様です。
心配ならブレーキフルードのエア抜きもしておけばいいでしょう。
とりあえずサイドブレーキを引きっぱなしにしてしまったときは、そういった整備が必要になります。
お客さんが何故何度もサイドブレーキを戻し忘れるのか?
そっちのほうが気になったので、いろいろと調べてみました。
そもそもサイドを引いたらブレーキ警告灯は点灯するし、そのまま走ったら警告音もなるでしょう。
もしやと思ってサイドブレーキを引いてみると、なんとブレーキ警告灯が点灯しない。
球切れなのかと思って、イグニッションをオフにしてオンにするとちゃんと点灯する。
ということは球は切れていない。
ではどういうことか?
上の画像がサイド引く前。下の画像が引いた後。
スイッチが伸びたり縮んだりしているのが分かります。
サイドブレーキを引いたり戻したりしていたら、警告灯が点灯するようになりました。
さっきはなんで点灯しなかったのか?
手で持ってるスイッチング部。一番てっぺんのカサの位置が90度ズレています。
上の画像だと導通しないのでランプが点かなかった。下の画像だとランプが点灯しました。
つまり、お客さんがサイドブレーキを戻し忘れる時って、本当に警告灯も点灯してないし警告音もなってなかったという事ですね。
なんでこんなに接点がくるくる動くのか?
どうも勢いよくサイドを踏み込むと遊びがあるため接点が動くことがあります。
これが原因で90度接点がズレちゃっていたようです。
お客さんにはとりあえずゆっくりと強くサイドを引いてみてくださいと伝えておきました。
これは確かに気が付きにくいですね。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。